

奈良~平安時代・8~9世紀/像高88.2cm
京都・宝菩提院願徳寺蔵
木造菩薩半跏像(宝菩提院願徳寺)
震災の報道では悲惨な光景が目に飛び込んできます。
原発の事故も含めて、未曾有の災難に懸命に立ち向かっている人もいて、頭が下がり心を動かされます。
関西では店頭から様々な商品が無くなる程度であり、震災前とあまり変わらない日常が続いています。
でも私が住んでいる阪神間は、16年前に阪神大震災に襲われ、それから見事に立ち直っている街でもあります。
きっと今回の大震災の影響を受けられた皆さんも、見事に立ち直っていかれることをお祈りします。
節電や募金でしか応援出来ませんが、私の好きな仏像をご紹介して、祈り癒やされていただく一助になればと思い、少しずつ載せていきます。
最初の仏さまは、一番好きな宝菩提院の如意輪観音像です。
一木彫の名作で、一目惚れ必至の美仏として紹介されることが多いです。
簡単に解説をします。
肉体とそれを覆う衣、そこにできる皺を完璧にとらえた一木彫の名作。体部を複雑に廻る天衣も矛盾なく表され、頭髪が額に垂れ、耳を覆う表現にも実在感がある。
左手前膊(前腕)半ばから先、右手先、両足先等を除いて、本体から台座の蓮(れん)肉(にく)部までを含み、カヤと見られる針葉樹の一材から彫出し、像内に刳りも施していない。瞳に黒い珠を嵌(は)め、二重瞼で切れ長な眼の表情は異国的で、中国・唐代彫刻との強い関連性がうかがえる。
かつて向日市寺戸町に所在した宝菩提院に伝来した像で、寺伝では如意輪観音といわれている。宝菩提院は願徳寺とも称し、平安時代の初期には、近くの乙訓社で造立され、やがて京都・広隆寺に移されることになる霊験薬師仏を安置していたことで著名である。
■宝菩提院 願徳寺
住所: 京都府京都市西京区大原野南春日町1223-2
電話: 075-331-3823
宗派: 向日市寺戸
本尊: 如意輪観音(国宝)
創建: 678年
開基: 持統天皇勅願
拝観料: 400円(毎年2月は事前予約が必要)
拝観時間: 9:30-16:30
駐車場: 無料駐車場あり
アクセス: JR「東向日町駅」、または阪急「東向日駅」から、阪急バス「南春日町」下車、徒歩25分
※かなり交通の便が悪いです。
駅からバス、又はタクシーに乗って「勝持寺(しょうじじ。別名:花の寺)まで」と告げるのが手っ取り早いでしょう。
私は自転車で家から行きましたが、体力に自身のない人はタクシーをおすすめします。