第8章 すべてを受け入れる ![]()
~「ならなくてもいいけど、なったらいいな」と
執着を手放すと、実力以上の「力」が使える~
アフリカでチンパンジーやオランウータンを
生け捕りにするときに用いる罠があります。
どんな罠かというと、
土を固めて小さな山を作り、
そこに
「チンパンジーやオランウータンが手を入れられるくらいの穴」
をあけておくのだそうです。
そして、穴の中にらが好む
「バナナ」や「木の実」を
入れておきます。
チンパンジーやオランウータンは
それを見つけると、
穴の中に手を突っ込みます。
そして、
「バナナ」や「木の実」を
つかみます。
その穴は、
何もつかんでいないときは
手を出し入れできるのですが、
ものをつかんで拳を握ったときには、
引っぱり出せない程度の大きさに
なっているそうです。
ですから、
手を放せばすぐに
逃げることができます。
しかし、
チンパンジーやオランウータンは、
一度つかんだ獲物を
決して手放そうとはしません。
だから
逃げ出せなくなり、
生け捕りにされてしまうわけです。
この話をすると、
多くの人が
「手を放せばいいのに」
とチンパンジーやオランウータンの
浅ましさを笑いますが、
しかし、よく考えてみると、
私たち自身も、
「チンパンジーやオランウータン」
と同じなのかもしれません。
<略>
『ありがとうの神様』by小林正観
