習慣９ 「習慣」を変える
―「夏休みなんだから、夜更かししましょう」―
たとえば、小学生のころ、
夏休みが始まる前日、
担任の教師は、あれこれ注意事項を言い渡して
子どもたちを送り出しました。
その中の１つに、
「 早寝早起きの習慣は守らないといけません。
2学期を迎えたときに、その習慣が乱れては
大変だからです 」
という注意を受けた人は
少なくないのではないでしょうか。
しかし、私の知人の子どもが行っていた
ある私立の小学校では、
それとは正反対のことを言ったそうです。
「 夏休みなんだから、夜更かししましょう 」
というわけです。
学校としては、おそらく
これまでよしとされていた習慣を、
夏休みという自由に裁量できる時期を使って、
子どもたちに見直しをさせてみようと
考えたのでしょう。
無意識的に習慣化しているものは、
無意識であるだけに、
なぜそうするのがいいのかを
考えることがありません。
早寝早起きの習慣を一度崩してみることで、
やはり早寝早起きが健康にいいと
再発見する場合もあるでしょう。
あるいは、夜更かしをして、
夏の夜空の美しさに気づき、
たまにはいいものだと思うことも
あるかもしれません。
少し大人の気分を味わって、
成長した気分になった子どもも
いるでしょう。
時間の使い方の習慣をちょっと変えるだけで、
それぞれがそれぞれの発見をすることが
できるのです。
＜略＞
『「忙しい」「時間がない」をやめる９つの習慣』ｂｙ 和田秀樹