第6章 人はいつでも変われる ![]()
~毎日少しずつストレスのレベルを上げていくことで、困難な状況に立ち向かうことができる~
人の体は基本的に安定した状態を保とうとします。
たとえば、いったんウィルスが侵入すると、それと闘うために免疫細胞が活発化しはじめます。
同じように、先に述べた「適切なストレス」がかかると、脳はシナプスをつくりはじめます。
では、どの程度のストレスが「適切なストレス」といえるのでしょうか。
これについては、それぞれ個体差があって、一概には言えません。
そこで、自分にとって「適切なストレス」のレベルを知ることが大切になります。
ポイントは、自分にとって
「 ちょっと大きいかな 」 「 でも何とかなるかな 」
というくらいのストレスを与えること。
ときには、根性を出してみることも必要かもしれませんが、
そうして無理して頑張っていると、結局は燃え尽きたり、ひどい場合は
うつ病などになったりすることもあります。
そこで、ストレスのレベルは徐々に上げていくことをおすすめします。
たとえば、今日15分走ったのなら、明日は20分走ってみる。
今日10個の英単語を覚えたなら、明日は新しく11個の英単語を覚えていく。
そのようにしてこつこつと続けていけば、大きな反動もなくストレスレベルを上げていくことができます。
自分にとって、困難な状況に立ち向かい、それを超えていくときに人は成長していくものです。
ふだんから小さなストレスによって練習をしているからこそ、
いざというときにしっかり力を出し切れる人になっていけるのです。
『脳科学で自分を変える!自己肯定感が高まる脳の使い方』 by 中野信子
6週にわたって、お伝えした” 自己肯定感を上げる方法 ”。
できるところから、やってみてくださいね。

