ため息の充満する部屋で、うずくまる小指を宥めながら
か弱い声に白い息を吹きかける

吐いた煙は天に召しますか、
地に落ちて埋葬されますか。

かたちにすらなれない哀れな意志は、消えるともなく失われて
いつか海馬から追い出されてしまう

憂鬱を吐き出す呼吸は、輪廻もできず壁に閉じこもって
原型のない拘束を不自由だと罵っている
鬱蒼とする頭はなにも考えることのないまま水分を奪われる

屈伏してしまえば楽だ、とつぶやいた誰かは
一酸化炭素とともに眠りについて
光の闇に消えていった。

絶え間なく、少しずつ、不幸せは蓄積されて
それでも世界は幸福だと叫んでまわっていた。