・朝
赤い電車と人の波
多分私を知る人はない
グレイプバインを聴きながら
強がってみたり寂しくなったり、する


・昼
この小さな社会の
広く窮屈な教室から
うまくはみ出さないように
詰まらないことばかりでも
書いたり消したり笑った振り、する


わたしは普通じゃないよ
普通になりたくないから


・夕方
人の波で上の空
多分私を知る人はない
たわいのないお喋りをしながら
赤い電車に乗って赤い空を眺める


叫びだしたい、走り出したい
普通の毎日を


・夜
ささやかな夢を抱えて
誰もが何か悩んでいる
壊さないように、でも
救いもしないように
下らないことばかりでも
本当に怒ったり泣いたり笑ったり、できる


時々誰にも理解されない気がして
苛々を溜め込んで心臓がいたい


「明日も朝早いし、寝るね
おやすみ」ってメール
普通、普通に、普通に。