香煙が誘う新宿付近
コウモリの影に重ねる

正味約一時間の街路
調べが不覚に漂わす

繁った至当な愛のなかで
暗い夢を包んで理解し合えた
嘘でも見つめて
確かにあたしが此処に居ると
塞いだ霧の時代に教えてくれた
あの日も嘘でも


少し前の耳に残る声と
何処を見ても窓の世界
耐湿の今を嘆いていた
甘やかした布が赤になる

冷たい引き金の薫りすら
あなたに良く似ている
闇が深くて泪が流れない
あたしの傍で月が嗤う
鏡に誰かが居る
あなたが見えない現在なら要らない
溶かして流れていけば良い

ブランコに跨る
スロースターター クローン
曇って 曇って
偽物と墜ちてゆく


繁った至当な愛のなかで
理解し合えた筈でしょう…応えて
確かにあたしが此処に居ると
あの霧雨の時代に教えてくれた
あなたは居ないの

香煙が誘う新宿付近
コウモリの影に重ねる

あたしはもう此処に存在しない
不愉快な街を眺めた