可愛い子には旅をさせよ。
2023-24年シーズン 青春18きっぷ 最新情報 | ひさの乗り鉄ブログ (kzlifelog.com)
その青春18きっぷで、あれは、もう10年ぐらい前だったかな、8月19日 23:10 東京駅発大垣行き「ムーンライトながら」に乗って、5:51 大垣に着き、近辺散策後、賤ヶ岳をレンタサイクルで旅した青春の想い出がある。
あの近江近辺は空気も水も澄んでいてきれいだった印象がある。
小川をさらさら流れる清水の川底で、沢蟹が鋏を持ち上げて万歳してくれた。
そして、古戦場賤ヶ岳にロープウエイで昇ると
古代の日本人はこんなところで覇権を争って戦をしていたのか……。
当時はロープウエイもないのに登ったり下りたりは大変だったろうな。
でも、ロマンはあったのだろうな。
おっと、そんないにしえの感傷に耽っている間に、ぶーんとけたたましい羽音が……。
熊ん蜂の襲来である。
近くに巣でもあるのだろうか、人を追っ払うのが趣味の蜂なのか、こちらも負けじと背中のリュックを振り回しながら応戦。
なんともいくさ場の風情が蜂にまで残る賤ヶ岳。
ここにも、夏草や 兵どもが 夢のあと。
それから、出雲路の旅も忘れられない。
松江の城下町、
武家屋敷、小泉八雲記念館、そして一畑電鉄の”ご縁電車”に乗って出雲大社へと。
これは松江しんじ湖温泉から、とことこ雲州平田を経て出雲大社前に出る。
そして出雲大社。 例の太い注連縄の藁房が見える。縁結びは太い。
こうして日がな一日、地方の人情味あふれるおもてなしをたっぷり楽しんだ後は
ここならではの大自然が織りなすトワイライト・スペクタルの調べが……
(515) 山口百恵 伝説の名唱 曼珠沙華 - YouTube
これは借景と言うのだろう。
大自然の景色を借りて、人々が連綿と明日への希望を新たにして、生活を営み続けてきた歴史。
宍道湖にかかる大橋、風が強く千尋の橋の下、さざ波の波頭が白く踊っている。
橋脚が茜色に染まってきた。
橋を行き来する人が、湖面から舞う風を押し切って前へ進もうと、前屈みで顔をそむけ、口を真一文字に結んで足を踏ん張る。
空にはひとすじの飛行機雲が風に揺らぐ。
中ほどまで歩を進めると、風の音が両の耳に去来する。
この辺まで来ると連れ添って佇んでいる者も見かける。
それらの顔に夕日の照明が当る。
照らされた目は一様に輝いている。
希望に満ちて。
信じられることの幸せを感じながら……。
そうして宍道湖の荘厳な落日の刻を迎える。
雲はあかあかと照らされ、沈みゆく真っ赤な太陽は、うるうると陽炎のような生命のルミネスたるあやしけな光をなおも放ちながら、この世を紅く染めようとしているのか、、、。
あかく大きな太陽は、きらきら光る湖面にその足をかけた。まるで足湯を浴びるように。ジユツと熱音がするごとく、
湖面に満面の笑みを浮かべながら……
ゆっくりと湯ぶねに身を横たえるように。
それでもなお今日一日の地球のエネルギーの残光、いや燃え残ったというより、沈むのが口惜しいというように、泣いても叫んでもどうしようもない。
開き直ったかのようにより一層厳しさを増して湖面をも、灼熱の烈火で沸騰させるような勢いで観るものを圧倒していくのであった。こちらまで泣きたくなるのをこらえながら大自然の営みに釘付けになる。
この瞬間、人間の普段の営みから解放されて、昇華されるようなおごそかな気分になる。
丸谷才一の言葉を借りれば、まさに、炎のままに水に沈んでいくのである。
それが水に沈んでいくまでの時間を、ひとは立ちながらに堪えなくてはならない。それが大自然の儀式であるから。
そうして明日へのエネルギーを持ち帰るのであった。 (吟)










