……新総理選出から一両日で役員人事や組閣ができるものなのだ。勿論政治に空白は許されない。
水面下で刻々変化するシナリオが幾つもあって、最新の情報、打診、調整の上に健康状態が極めて重要なカギを握っていることは、先の第98代首相の降板劇を見ても想像に難くないところだ。
先ず自己健康管理ができていないと板に乗れない。
……ということで先の閣僚は辞表を提出する代わりに、新閣僚は各自健康診断書を出して日々健康管理に精を出す。そして毎日の検温を連絡帳に記入して閣議に臨む。ようになるかもしれない。
……万が一激務で疾病したら労災の認定を受け第一線から後退する。
この判断は一国の総理宰相にとっては公私混同しない愛国心の、そして国民を思うがゆえの勇気ある決断とも、或いはコロナ禍で先が見通せず策尽きて敵前逃亡とも……。
菅新政権の顔ぶれを見ると、安倍継承内閣とも保守安定型1年菅中継ぎ組閣などと言われそうな、それぞれの思惑が交錯する中で、多少の時代が動きそうな感がするのが、首相官邸でのぶら下がり会見で発したポパイこと河野太郎新大臣の名言だ。
河野大臣自身の公式サイトに「行政改革目安箱(縦割り110番)」を早速設置し「具体性のあるものからさっそく実行していきたい」
としたあとで、記者からコールセンターの設置は?と聞かれ、
「SNSの時代に、今さらコールセンターもないでしょう」と……。
確かに。
質問した記者はやらせではないかと思うほど、二人の掛け合いは絶妙であった。
あと、1年後にはまた総裁選があるが、石破氏は地方票では高得票だった。
それは公私混同しないアンパンマン的な強さがあるからではないだろうか。
総裁選で、借金をしてまで米国に膨大な用心棒代を払うのが妥当なのか?という尤もな疑問を発していたのは注目に値する。
なので『石破茂 著・日本人のための「集団的自衛権」入門』を取り寄せ読んでみた。
集団的自衛権と個別的自衛権、さらに警察権の適宜運用の考え方は、もっと国民的議論が必要な事案だと思った。
たとえば、日本には石油などの資源は遠く産出国に頼らざるを得ないのが現状だ。
ホルムズ海峡が封鎖され、航行する海に機雷がばらまかれていて、日本のタンカーなどが日本に石油を運ぶことが出来なくなった。----------どうするか?
海自が出動して機雷撤去するか?
これは国連などの手順を踏まなければ事は容易に解決できない。
さらに多国間の共同演習になると、ことが複雑です。
今のところ現行法ではそのような場合はオブザーバー資格での参加にとどまる程度とされています。
インド洋上の給油問題でもソマリアのPKO問題でも一歩間違ったら敵側にしてみれば一味同類、共通の敵と見なして攻撃しかねないからです。自衛隊だけの問題で済めばいいのですが、下手をすると一億総国民の生命財産名誉にかかわってきます。
拒否権がある国はいいですが……。
だからイージスアショアの問題にしても、沈んだり移動できない陸上にミサイル基地を置くということは、敵にしてみれば格好の攻撃目標となるわけです。そうしてみれば米軍基地にしてみても同じことです。
ただ日本の現状はじっと我慢して、正当防衛の個別的自衛権(専守防衛)あるのみですが、これじゃ来年の東京オリンピック、レスリングでは勝てません。
守りばかりでは……。
攻撃しないとポイントがたまりません。
力を持たないと常任理事国にもなれません。
あるいは、フランスあたりからその切符とかお株を買い取るとか……いやいやそういう姑息な手は日本的ではないでしょう。
英国は日本同様小国ながら過去の栄光なのか常任理事国だ。
そこで日本がその産業革命的蒸気機関を世界に発するとしたら、日本の堪えて打克つ精神的力強さ、マインドコントロールと技術力、さらに素早い動きフットワークではないでしょうか。
それを世界に示せるオポチュニティー(機会)が今、目の前に迫っています。
先ず、連帯意識でコロナに打克って、そしてインフルも駆逐し、さらに抗原抗体免疫を得た者から、さらなる抗体ワクチンを倍々増殖させ、来年のオリンピックまでにそのワクチンを五輪参加者に打って打って打ちまくって、コロナの這い出る隙間を与えず、東京五輪大成功の裡に感動のフィナーレを迎え、後世の者に日本はコロナ禍に打克って、そしてサスティナブルな国家の模範を示してくれた。
というような国際秩序の模範、たとえば東日本大震災 3.11の際にも、国民は騒然と略奪などせず、国の機能の回復を秩序よく辛抱強く待った。これは3.11のとき外国の新聞にも出ていたことだが、交通機関の不通にもいつまでも辛抱強く秩序正しく待っていた日本国民の写真入り記事が世界の人々の共感を得た事例もある。
これこそ、21世紀の産業革命ならぬ医療革命だ。日本の不屈の精神は蒸気機関に匹敵する。
やがて日本を是非とも、拒否権を持つ常任理事国に推すべきだ、という声が世界中で鳴り響く。
日本には我先にと言う見苦しい真似は恥だという観念が昔からある。
武士は食わねど爪楊枝などという言葉もある。
だから体格が伸びないのかも知れないが、その分精神面や理性に注がれている。
一面他からよくみて貰いたいという自制心もあるかな。
これは、新型コロナのワクチン接種にも同じようにルースベネディクトの「菊と刀」や、土居健郎の「甘えの構造」など日本人の美徳意識が学業や恋愛錬度によって、男前や心意気や見栄を張るなどの心のありよう、意識、美学が世界の人の気持ちを惹きつけずにはおかれないのだろう。
ところで、実際にこれがもとで世界から是非、常任理事国になってくれと言われたらどうするか。
まさか、こんなところで拒否権を行使しないだろうな。