藤沢周平文学研究 | 地球の日記☆マーク♪のblog☆

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海坂藩紀行  藤沢周平文学を訪ねて          

 

    




 

先ず始めに言葉ありき、ではなくて映画ありきでした。わたくしの場合。お恥ずかしながら・・・・・・。藤沢周平という固有名詞に出逢ったのは。 

 

 ……あれは「蝉しぐれ」でしたでしょうか。
 

“古き良き時代”と申せば紋切型になって新鮮味も失せてしまいますので、こういい直しましょう。

 

“迷うことなく社会と共に人生を全うできた時代”がそこにあった。

 

現代のように価値観が混沌としていないシンプルな善か悪かの時代。

 

そこまでタイムスリップ、遺伝子を掘り揺り起こして読み解けば少しずつみえてくる。

 

 

 


蝉しぐれ/立札

 

そこには川のせせらぎ、蝉のしぐれ鳴き、風の葉音、豊かな自然の息吹……。



 

 

 


稲舟①

 

田澤稲舟。恋する乙女は∞の美のパワーを秘めて新たなエネルギーを産み出ずる。


 

 


稲舟②

ゆたかな土壌に育まれた士風が魅力ある人間を育てる。

 





城下町鶴岡①


藤沢文学にも田澤文学にも共通している筋、そう、筋がある。

 

人間としての一本通った筋。

 

 

それの研究に現地に飛んだ。

 




庄内俯瞰①

 

庄内上空を鳥瞰

 




 


大寶館
大寶館(この奥に藤沢周平記念館が存立する)




 

 

 

 

 

 


致道館②

こちらは庄内藩校、致道館 (鶴岡市)




 

 

 


内庭

 

庄内藩校、 控えの間と内庭

 

 

 

新渡戸稲造の「武士道」と西洋の騎士道と紳士道の共通点は、なれば礼にはじまる。



 

 

 

 


SET

庄内藩校、致道館 (鶴岡市)


 

 

 

 


御目見え

藩主書見、引見の間。




 



 


これら、一連の後述資料*から人間の歴史を掘り起こして視るに、一途な日本人の文化が凝縮しているけなげなさに愛おしくて胸が詰まる思いがしてきます。

 

 

 

泣きたくなってくるのを我慢して、この思いをつとめて客観的に分析してみれば、ひとつに現地ならではの臨場感、いまでは地域性という匂いで五感に訴えかけてくるリアリティが何層にも連なったオリジナルな発見として出逢うからです。その地域の方々と話してみるとね。

 

 

活きてきた歴史というか生活が伝わってくるのです。

 

 

 

そんなとき人間の温かな重みに人間に生まれてよかったとしみじみ実感するのです。


 

それはひとつに人情であったり合言葉(キャッチコピー)であったりする。
 

合言葉、ここでは藤沢文学にも度度登場する「城下町」というキーワードで語ってみましょう。

 

そこには統治する徳に長けた者と統治されて奥ゆかしく平穏無事に生活する者が共存していました。

 

 

 

 

自ずと秩序の中で育まれた城下町の矜持、自尊心のような自負もあったでしょうし、時にはこころの拠り所でもありポリシー(信条)として奮起した合言葉でもあったでしょう。

 

 

独特な「城下町」というニュアンス……この言葉の抱く響きはなんでしょう。


 

これは私個人的な解釈ですが、城下町の中には連帯とか郷土愛のような情緒をも含んでいるような気もするのですが如何でしょう?


 

 

鶴ヶ岡城、城下町である鶴岡市内。そこに三省館のモデル庄内藩校・致道館が今なお存立する。往時の面影を残して。


 

 

 

 

また近代、別の城下町なれど、瀬戸の花嫁~私の城下町♪のような平和でのどかな日々のイメージも浮かんでくるのですが……。

 

 

やがて、そこから物語は起承転結へ……。統治者側の焦燥などに因る拙速が入り混じりドラマが構成、展開されていく。まず典型的なパターンですね。

 

 

用心棒日月抄の藩主御家騒動然り、欧州の古城を舞台にしたシェイクスピアの一連の戯曲も人間の欲望があるから読む人見る人がいてそれを創作のリアリティで書く者も居て。

 

 

たとえば、こうです。

 

 

恋する乙女を見初めたせっかちな横恋慕も……。まるで沙翁の「真夏の夜に夢」など早とちりから起こる悲喜劇の騒動ものの如く、現代の身近にも起り得る嫉妬、ねたみ、ひがみなど人間の心の弱さ喜怒哀楽を衝いた小説は星の数ほどあれど、どこでオリジナル表現しキラッと輝くか、それこそ致道館教育の賜物である”個性”です。

 

 

書き手は想像のリアリティを駆使して硬軟緩急自在、じわじわ読み手のこころを鷲掴みにしていく。

 

とまあ、純文学の楽しみはつきません。

 

 

などと古今東西時代により多少その振幅の大小はありましょうが寄せては返すさざ波のような繰り返しで、地球はまわっているようでございます。


 

 

ただ、惜しむらくは、ミレーの絵画「落穂ひろい」のような政民共存関係のゆたかさを描いた万民共通の文化美術品が日本に今までなかったというのは真に残念で、今後映画だけでなくデジタルに切り取った絵画でも信頼の主従関係をゆたかに描き優れた世界に誇れる本物の芸術文化が誕生してほしいと願うものであります。


 

 

ややテーマからそれてしまいましたが、まとめますと藤沢周平氏と田澤稲舟女史と致道館の筋を辿ってみれば、奥ゆかしさの中に堪えて辛抱しての義憤、勧善懲悪と人間の喜怒哀楽をも表出し、しいて申すなら、いかなる個性であれ生きているよろこびを寛容なこころで享受しようじゃないか、と。まるで福祉のようなヒューマニズムが貫かれているように感じました。 (吟史朗)





 


*<参考資料>:『蝉しぐれ』の世界(鶴岡市立藤沢周平記念館 開館記念特別企画展)             『用心棒日月抄』の世界(鶴岡市立藤沢周平記念館 開館記念特別企画展)            藤沢周平と「海坂藩」を旅する(徳間書店2012年11月15日初版発行)
海坂藩の面影(第3回街歩きマップコンテスト日本観光協会賞 受賞/鶴岡市観光連盟)

                                  ほか

 

 

 


藤沢周平記念館①

 

 

 

 

 

 

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