舞う。
いや、踊らされる。
そこに意志は無い。
吐き出された紫煙が。

風に踊らされる。
重力に踊らされる。

その舞いに意志は無い。
その動きは意志を持ち舞うように見えても、
アルゴリズムで解析可能なものに過ぎない。

非存在。
無の証明は有の証明よりも難しい。
故に、人間は有を妄信することが出来る、
無が証明されない限り。
自らの行動を。
意志を。
何も選択していないのに。
何も思考していないのに。

指向性の欠けた存在の集合が指向性を持つ。
社会。
集団が個に指向性を与える。
与えられたものを自らの生産と妄信する。

濃度差に逆らい、高濃度に移動する分子を集合として無視する。
拡散。
分子は濃度差に従い、低濃度へと流れる。
そんな傲慢。
それが社会か。
指向性の無い個の集合が、個に指向性を与える。

関係性を断ち切るものだけが、自らの指向性を創造できるのだろう。