きれいですね、緑がとっても。

いつも、自転車で学校行ってるんですがとっても気持ちいいです。夕方、帰ろうと思ってたんですが、気持ちいいんで少し遠出してジュンク堂まで行って来ました。気持ちよかった。


ジーニフォートさんコメントありがとうございます。(あえて、Nはスルーします。)

昨日書いたようなことは、ミクシーのあんましよくないトコですが、ジーニフォートさんみたいに10年間ぶりに小学校の同級生とかが偶然見つけてくれたりするのはミクシーの最大の魅力です。

友あり遠方よりまた楽しからずや、という気持ちです。


昨日は酔ってて少しだけしか書きませんでしたので、今日も三浦展氏の「下流社会」について。

この本が出たのが05年ですが、それより5年前に格差・階層の問題について東大の佐藤俊樹助教授が中公新書で「不平等社会日本」という本を書かれてます。高校の頃読んだんですが、正直僕には少々難しかったです。(KWSさん今度解説してね。)結構硬派な本です。


その中で、佐藤氏はデータを示しながら「可能性としての中流」が1980年代の半ばまではあったと指摘しています。つまり、戦後の日本はがんばれば何とかなるんだという形の社会であったと。もっと正確に言うと、学歴は相続され(ようするに、エリートの子がエリートになると)それが所得の格差が相続されることにつながり階層化が進んでしまうという前提があるけれど、段々と「がんばればなんとかなる」という傾向が80年代半ばまでは強くなってきてたと。でも、80年代半ば以降は、階層が固定化して、「がんばってもなんとかならない」傾向が強くなってきたということを指摘してます。


そして、その結果生まれる問題がある。

学歴を相続する層の人々(親もエリート、自分もエリートって人たち)は、自分の生まれた階層のおかげで(要するに親のおかげで)高学歴なんだけど、学歴社会の中で、試験を突破してきてるんで自分の努力で勝ち上がったと考えるようになる。本当はいろんな面で、生まれた階層によって有利不利があるのに、みんな全く同じ条件で競争していると思い込んだ上で、自分たちの地位を自分たちの「実績」とみなし、エリートとしての義務をきちんと果たさなくなる。欧米の貴族やエリート階層が行うように、知識や富を社会の為につかうという発想、ノーブリスオブリージュの思想のない歪なエリートが生まれてしまっていると佐藤氏は批判してます。


僕は、佐藤氏の指摘は全面的に正しいと思います。

そして、こういう歪なエリートの考え方が「下流社会」という本の中にに表われてる気がします。つまり、この国は完全に平等な競争の出来る社会、「がんばればなんとかなる」社会だと、それなのに稼ぎの悪いやつは怠けてるから悪いんだと。そして、やつらは精神的にたるんでるからこうなるんだと考え、そのたるみ方はこういうタイプだああいうタイプだと適当にレッテル張りを少なすぎるサンプルの元にやったわけです。その結果があの本の内容ではないかと思います。そして、何より所得の低いことを精神的にたるんでるからという理由にすることで、所得が低いこと自体とても悪いこと、人間として劣ってるんだという印象さえ与えてるんじゃないでしょうか。

こういう考え方って下品です。しかも、考え方に寛容さとか優しさがない。




佐藤氏の「不平等社会日本」には優しさがあります。この本の最後の「やや長いあとがき」のなかで、こういったことを書いています。


佐藤の父は成績はとてもよかったが大学進学をあきらめ電電公社(今のNTT)に高卒で入り、二人の子を私学の一貫教育を受けさせ、佐藤は東大の大学院に進む。

大学進学の際、地元を離れる時「もうここに帰ってくることはあるまい」と強く感じ、それが「どうしようもない事実」だと思い、実際そうなったという。そして、その体験は、佐藤自身に「いわくいいがたい思いを階層にいだかせる」ことになる。

佐藤が東大を卒業し、大学院という大学教員の息子たちの集まる大学教員を養成する異質の世界(当時は今より大学院進学者はずっと少なかった)を体験した年、父は息子に「数学の定理はまだ全部見つかってないのか」と問う。経済学の学徒であり、数学の専門家でもある佐藤は困り苦しい説明をするが、自分が大学院で私が何をやろうとしているのかということを、父親が理解することはないし、それを父親自身が痛いほど理解していることを感じる。

佐藤は、誰よりも読書好きだったというその今は亡き父に向かってこの本を書いたのだという。


この体験もまた、「いわくいいがたい思いを階層にいだかせた」ことになったのでしょう。そこには三浦氏(「下流社会」の著者)の乱暴にレッテル張りをするある種の嫌らしさとは正反対の美しさ、インテリである佐藤氏の高等教育を受けていない父への無限の愛情が見える気がします。


是非、図書館や書店での立ち読みでも結構なんでこの本を、「やや長いあとがき」だけでも読んでみて下さい。格差や階層というものを考える際のとても大切なヒントが含まれている気がします。