3連休は3日とも仕事だったが、朝食は毎日父の家で食べた。

父と母と僕の3人で食べた。

 

少年の頃はいつもこんな感じだったな。

食事中、TVを観ながら他愛のない会話をした。

昔は当たり前だった日常のありふれた時間が、今は名残惜しくて、切ない。

 

今朝、父は食パンと目玉焼きの白身だけを食べていた。

黄身の部分と、付け合わせの野菜炒めは残していた。

父は食後、たくさんの薬を飲んでいた。なんだか…どの薬がどこに効いているのかわからないくらいの量だった。

 

「一日中横になってるから食欲がない」と言っていた。

 

食事はあまりとっていないが、腹水がたまり体重が増えていた。

そのため今日は父と母と3人で焼肉に行く予定だったが、延期になった。

 

 

午後からは近所の医院の先生が腹水を抑える薬を持ってきてくれた。

 

日曜日にわざわざ家まで来ていただけるとは。

20年以上にわたり父を診察してくれている先生で、強い責任感を持って対応してくれる。

 

以前「最期まで私がみます」と先生は父に言ってくれた。

この言葉があったからこそ僕らは自宅介護の決断をすることができた。

 

この先生が父の近くにいてくれて本当によかったと思う。

 

 

次の週末はもう3月になる。

あっという間に冬が終わろうとしている。

近所の公園の桜はまだ咲いていない。

 

「桜が見えるかどうか…」

年末、病院で言われた言葉がどうしても頭から離れない。

 

 

なかなか計画通りにいかないが、どうにか父と母を焼肉へ連れて行ってあげたい。