2023年12月25日の朝、父と母を車に乗せて病院に行った。

 

父の肝臓がんの進行状況は僕と父と二人で聞いた。

母は結果を聞くのが怖くて待合室で待っている、と言った。

 

 

「えーと、まー、桜が見えるか…どうか、そんなトコですかねぇ」

先生はずいぶん軽い口調でそう言った。

父は先生の説明を冷静に聞いていた。冷静を装っていただけなのかどうか、そのあたりは判断できなかった。

 

「ま、もう治療がどうのこうのって段階ではないのでね。あとは…残りをどう過ごすか、ってトコでしょうーなー。」

 

先生の淡々とした口調と冷静な父の様子に、僕は現実感がなくどこか他人事のような感覚で先生の説明を聞いていた。

 

父はもうすぐ75歳。年齢的にはそういったゾーンには入っているが…入ってはいるが……だってまだ…普通だよ?普通にしゃべって、歩いて、食事してるよ?

本当にここからあと2〜3ヶ月でこの世からいなくなるの?

来月くらいから急にガクっと来るのだろうか?

 

診察後、部屋を出てすぐ

「お母さんにはまだ言うなよ、タイミングを見て自分から説明する」

こんな状況でもまだ家族のことを一番最初に考える父。

 

 

「人間の死には2種類ある」と言います。

肉体の死と忘却による死。

僕は生きている限り父を思い出して父の話をするでしょう。

でも、そんな僕もいつかはいなくなる。

 

僕がいなくなってもこのブログが残ってる限りは、父も僕も生き続ける。

でもきっとアメブロだっていつかはなくなる。

諸行無常。

仕方がないことなんだ。