先日、犬の思春期についての記事を読みました。

生物学的に犬は人間と同じ哺乳類であることから、犬も人間同様に思春期があると認識していました。

しかし、その詳しい研究は近年までされていなかったようで、最新の研究により子犬にも人間同様の思春期があることが明らかになったそうです。

 

子犬が成犬への移行の時期には、種々の成熟段階を経て体が成犬へ成長し、その過程は多くの神経内分泌因子やホルモンが関与します。

この時期に脳が再配線されるそうです。

 

思春期開始の引き金については、完全には明らかではないそうですが、栄養や脂肪細胞から分泌されるレプチンなどが関与していると考えられているということです。

 

★友人がこの記事についてより詳しい説明や指摘、意見をしてくれています。➡ドッグウォーカ博士のスローライフ「犬にも反抗期がある?

 

 

思春期について調べていると、子犬と人間の子どもに対しその時期に言われていることがよく似ていました。

 

思春期の子犬、人間の子どもの行動を問題行動や反抗期(言うことを聞かないなど)として言われている記事が多かったですが、この問題行動は誰にとっての問題と言われ、どのような行動なのか?反抗は誰が誰に対して反抗することを言われているのか?どのようなことを反抗というのか?

 

どちらも人間、おとな目線だと思いました。

そこには犬、人間の子どもとの関係に序列があるのだと。

 

思春期にはイライラしやすかったり、無気力になりやすかったり、モヤモヤ感、不眠などひとりひとりの感じ方や感覚などから身体の変化に伴う行動や心の状態のあらわれは異なると思います。

 

そして、そのあらわれは育っている環境やかかわっている者の影響が大きいと思います。

 

育っている環境下がストレスを多く受けるのであればイライラが増すと思いますし、その後の行動に影響をあたえるではと思います。

 

もし、生まれてきた子犬や人間の子どもをひとりの個人として尊重し、成長を見守り、寄り添いながら暮らすことで子犬や人間の子どもたちのイライラや不安は軽減され、つらさも減るのではと思います。

 

体が成熟に向け変化し、日々の新たな経験を通し心も体も最も成長している時期、ひとりひとり自我の意識が高まり個人として形成していく過程において他の者から自分の意思とは違うことを強要されたり、気持ちを否定され抑えつけられたりはその者に多大なストレスを与え脳の発達にも影響が及んでしまいます。

 

子犬については、早期不妊・去勢手術でホルモンの影響を避けることができます。

 

しかし、早期不妊・去勢手術を行ったとしても犬が過度なストレスを負う環境であれば、思春期に言われているような問題・反抗行動があらわれます。

犬たちもわたしたちと同様、自己の意思、感情がありますので。

 

我が家の春ちゃんとひーちゃんは生後3か月頃に不妊・去勢手術を受けました。

春ちゃんは日々、しつけやトレーニング、激しい強制的な動き(ボール投げなど)で、いつ破裂してもおかしくないほどのストレスを蓄積していました。

 

春ちゃんがなぜ、ストレスを蓄積してしまったのかは、わたしが春ちゃんを自己ある存在として捉えていなかったことからの行動が原因でした。

春ちゃんを感情や意志ある者としてかかわることなく(春ちゃんを尊重していない)、モノとしてかかわっていたのです。

しつけやトレーニングを他者に行うということはそういうことだとわたしは思います。

 

春ちゃんは早期去勢手術を受けたのち、生後9~10か月頃から別犬(イライラしたり、執着するなど)になり、今まで経験してきたことに伴う感情や、わたしから受ける抑圧の苦しみがなどがストレス行動としてあらわれ、体調は不調続きでした。

 

友人は体内に溜まったストレスや感情が体内破裂したと表現していました。

 

経験が恐怖や不安、興奮など犬にとってつらいことが多く、人間からの抑圧が大きければ大きいほど、その影響は思春期に関与する大量な性ホルモン物質関係ないところで行動や体調などにあらわれます。

 

不妊去勢の手術後、性ホルモンや他のホルモンにどのような変化があり、個体にどのような影響を与えるかわからないので、詳しい研究をして発表してほしいと思いました。

 

ひーちゃんは春ちゃんと幼少期の環境が異なり、ストレスの少ない日々をすごしていました。

ひーちゃんは小さい頃とても怖いものが多く、常に顔をブルブル震わせたり、恐怖対象に激しく吠えたりしていましたが、早期不妊手術を受けた後、帰宅するとケロッとしていました。

 

手術後、日に日に傷も精神も回復し、手術を受けたことをうっかり忘れてしまうほどご機嫌さんでした。

その後、問題・反抗行動と言われているものは見られず、日々を変わらずご機嫌さんですごしていました。

 

早期の不妊・去勢手術はホルモンの大きな影響受けずに済むので、犬たちは苦しまずに済み、早期に行うと傷と精神の回復も早いです。

 

手術後、春ちゃんとひーちゃんの観察を通し、そして、知人の同居犬さんたちの様子からも早期不妊・去勢手術後の個々の様子(行動)は性別によって異なるものではいと思いました。

 

早期不妊・去勢手術を行ってからのそれぞれが育つ環境の影響が個々の犬のQOLに関係し、犬たちにとっては手術も安心できる環境も大事です。

 

子犬の思春期の記事には、犬と飼い主の関係は人間の親子の関係とよく似ており、思春期には人間の子どもは親との関係が脆弱になり、その親子関係に基づき、犬と飼い主の関係が脆弱になると仮定し、追跡調査を行った調査結果が書かれていました。

 

調査によると、思春期の犬は飼い主以外の「見知らぬ人」や「盲導犬として訓練をおこなうトレーナー」は従順な態度を示し、飼い主のみに紛争的な行動を示したそうです、と書かれていました。

 

この内容を読み、わたしは自分の幼く若い頃を思い出しました。

見知らぬ人に対しては相手がどのような人物なのか様子を伺いよそよそしく関わりますし、何かを教わってるおとなに対しては、自分の意思を言うと怒られるので萎縮し、おとなの機嫌がよくなる行動をしようとしていました。

 

親とは、毎日長時間関わるのでその間に経験するさまざまな抑圧や感情や身体の変化などもあり、わたし自身で感情を押さえ込むことが困難なときもありました。

 

ホルモンの影響で成長過程の本人が混乱したり、イライラしたり、不安があれば、おとなはその感情などと向き合い、苦しんでいる犬や人間の子どもたちに寄り添えるといいなと思います。

 

育つ環境が犬や子どもたちにとって安心できる場だと、混乱しながらでも自分で整理したり、落ち着いたりできるのではと思います。

 

思春期について考えると、犬、人間の子どもとのそもそもの関係性、「言うことを聞かせる」という、命令する者とされる者の関係であることを見直し、生まれた者を生まれた時からひとりの個人として尊重し、その者の意思などを大事に育て、その時々気持ちに寄り添ったり、つらいと手助けしたりながら、対等な関係で日々すごしていけるといいなと思いました。

 

動物の成長を思春期の時期だけ別として捉えるのではなく、本当の意味で育ち成長することの中に思春期の時期を位置づけるべきではないでしょうか。

 

その時々の気持ちに寄り添ったり、つらいときには手助けしたりしながら、対等な関係で日々すごしていきたいと思います。

 

 

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