お雛様〜その弍〜 | あ・うん日記

お雛様〜その弍〜

娘が産まれた時、父が雛人形を用意してくれましたが、他にもどうしても欲しいものがあり、父に頼み、とある作家さんに制作してもらいました。

貝覆い貝です。ちょっと長くなりますがにっこり

貝覆い貝とは、平安時代から続く優雅な遊びです。江戸時代の遊び方は、通常360対の蛤を地貝と出貝に分けて、それぞれの貝桶に納め、地貝桶から場に地貝を同心円状に伏せて並べます。場の中央に出貝を一つずつ伏せて出し、出貝の外側の模様と同じ模様の相手を地貝の中から探し出して一対に合わせます。このようにして、より多く取った者を勝ちとするのです。

その際、合わせ方には色々儀礼的な作法が決められていたそうです。その後、貝の内側に出貝と地貝を一対として、源氏絵や花鳥草木などが極彩色で描かれるようになり、貝桶も豪華なものが作られるようになりました。上の写真か貝桶です。豪華絢爛ニコニコ

蛤は同一の貝しか二枚が合わないため、和合と婦女の一夫一婦の貞節の象徴となり嫁入り道具にもなりました。後には、貝覆い貝は雛の調度にも加えられることになりました。

貝覆いの道具は大名婚礼調度の最も重要な道具とされ、現在は博物館などでその姿を見ることができます。

この貝覆い貝は、伝統的な日本画の技法により制作されています。地模様を盛り上げて、純金箔地に仕上げ、岩絵具、天然顔料、純金泥などの材料を使い制作されています。


長くなりましたが、貝覆い貝をどうしても娘に作ってあげたくて、お雛様以外にも用意してもらいました。作家さんも、雛道具として依頼を受けるのは初めてらしく、珍しいと言われましたが、何度もメールで打ち合わせをして、仕上がりを楽しみに待ちました。娘が小さい頃は、カスタネットの代わりに遊ぼうとしたり、ヒヤヒヤしましたが、今は価値のある物だと理解できて大切に扱ってくれます。見た目にも美しい伝統芸能、工芸は、次の世代に引き継いで行きたいものです。お雛様ネタ、あと少し続きます驚き