一口にお笑いといっても様々な項目がある。
代表されるのは、落語、漫才、コントといったような、あらかじめネタを練って披露するもの。
他には、アドリブ芸としてのトーク(実際は枕からオチまで練られているので、アドリブという形態をしたネタではあるが)、大喜利などがある。
トークは元々競い合うものではなく、芸人さんの話術という、いちスキルでしかなかった。
ところで、「おもしろい話」はアドリブ性があるからこそ爆発すると僕は考えている。
例えば、同じくらいおもしろい(ウケる)話があるとする。
一つは、会社での失敗談。
もう一つは、親戚のおっちゃんの話。
そんなあなたが今、会社の同僚と仕事の話の最中に、同僚を笑かしたいと思ったとする。
その時、どちらの話を選択した方がよりウケるだろうか?
間違いなく後者である。
その流れを汲んだ話の方がアドリブ性が高く、おもしろく感じるのだ。
いくら同じおもしろさの話だとはいえ、仕事の話の流れで、親戚のおっちゃんの話は、
「なんだよ、急に。えらい放り込んできたな」とネタっぽくなってしまう。
このネタっぽくなるというのがポイントである。
つまり、ネタはあらかじめ用意されたものであるので、その場のハードルが上がってしまい、ウケづらくなるのだ。
(ハードルを上げる行為としては他に、話始める際「この前、面白いことがあって」と言ってしまうことなど)
おもしろい話には【アドリブ性】が重要である。
アドリブでなく、準備していた話だったとしても、いかにアドリブっぽく話せるかが、ウケるウケないの分かれ道だ。
だからこそ、多くのトーク番組は【トークテーマ】が用意されているのだと思う。
【テーマ】に沿って話すことでアドリブ性が増す、ハードルが下がるのである。
さて、ここで【すべらない話】である。
あの場というのは、ウケる条件をまるで果たしていない。
ウケる条件とは、改めて。
① アドリブ性が高いこと
②話す内容に連続性(流れに沿っている、あるいはトークテーマが同じ)があること
③ハードルを下げること(「この前、面白いことがあってさぁ」という枕は最悪である)
まず、トークテーマがなく、それぞれの芸人さんが話す内容を準備していることが明かされてしまっている。
つまり、アドリブ性が欠如。
次に、話の連続性がない、つまり、先ほどの例えでいうと、仕事の話をしていたのに、親戚のおっちゃんの話をするといったように、流れを汲んでないということだ。
そして、【すべらない】とハードルを上げていること。
普通はすべってしまう状況をあらかじめ作っておいて、そのハードルを超えて行かなければならない状況を企画したのは、ダウンタウン松本人志さんである。
あの番組に出ている芸人さんはもちろん、とてつもなく凄いが、あの企画によって【トーク】の位置を上げた松本人志の企画力はそれに輪をかけてとてつもない。
今や、あの場で語られる【話】は昔のそれではない。
【すべらない話】は、話術を話芸に変えたのである。
最後に!
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