俳句ポスト365兼題「春潮」の人選・並選発表がありました。
今回も有難いことに選に入りました。
しかも久々に二句が選となり、格別の嬉しさでございます。
記事タイトルの句ともう一句は次の句でございます。
春潮の苦しみながら産む朝日
皆様のご指導・ご鞭撻のお陰でございます。
 
今回も過去にご交流の記憶がある方や、そのご家族の方、つながってみたい方などの句を鑑賞させて戴きます。
記憶で探しておりますので、見落としがありましたらご指摘下さい。
また、ご自身の鑑賞が載せられるのが不快な方がいらっしゃいましたら、ご連絡いただければ削除致します。
 
入選なさった皆様、おめでとうございます。 
 
 
 
 
春の潮くじら色したくじらの子 24516さま
くじら色ってどんな色だろう。
 
春の潮だいふく岩のふいに角 24516さま
真ん丸だと思っていたのに角があるなんて。
 
春のしほ翳りて礁にしなだるる ウロさま
色っぽく擬人化なさいました。
 
春の潮たゆらたよらにたゆたひて ウロさま
「たゆら」も「たよら」も「たゆとう」も同じような意味ながら、リズムがいいですね。
 
艦番号消して退役春の潮 さるぼぼさま
護衛艦にお疲れ様。
 
春潮や玻璃浮き玉に塩のつぶ さるぼぼさま
硝子に塩の結晶が乾いています。
 
春潮や貸別荘のフライパン ラーラさま
調理は全て自炊なので。
 
春潮や砂浜まろき真珠色 ラーラさま
きれいな色の砂浜です。
 
青に青てふ隠し方春の潮 霞山旅さま
木は森に隠せと。
 
春潮や人魚と見れば人魚とも 霞山旅さま
岩でしょうか?寝そべっている女性?それともジュゴン?
 
春潮を噛んで笑っている計器 剣持すな恵さま
何を測っているのでしょう。
 
春潮の島スリッパのぺったんこ 剣持すな恵さま
使い古したスリッパなのでしょう。
 
臨月の犬のあくびや春の潮 小川めぐるさま
お腹の大きな犬の欠伸です。
 
春潮や月のお下がりなる奇石 小川めぐるさま
変わった形の石です。
 
傷ついた岩春潮の腕の中 城内幸江さま
心も傷ついているかのようです。
 
春潮や月潜らせないやうに 城内幸江さま
ちょっとした願いです。
 
春潮や蠍座の尾は海淵に 星埜黴円さま
徐々に沈んでいくのでしょうか?それとも昇るのでしょうか?
 
春潮の軍港に食ぶカツカレー 星埜黴円さま
横須賀港かなぁ?
 
衛星の直列きれい春の潮 桃猫雪子さま
人工衛星でなければ、地球以外の星の光景かも。
 
春潮や家はこんなに傾いて 桃猫雪子さま
あらあら、大丈夫でしょうか。
 
春潮のフェリーや数式解く少年 猫愛すクリームさま
数学好きの少年でしょうか。
 
老犬の眸にあをし春の潮 猫愛すクリームさま
犬はじっと海を見詰めています。
 
春潮と旅してコーラ壜無傷 比々きさま
中に手紙は入っていなかったですか。
 
ホバリングする春潮は原子炉へ 比々きさま
これは東京消防庁の決死隊ですね。
 
春潮やバナナ航路は晴天なり トポルさま
美味しいバナナがもうすぐ届くかな?
 
春潮や躓く石の真っ黒け 理酔さま
躓いてしまいました。
 
臨月の母は春潮感じをり S.A.Y.さま
匂いでしょうか?音でしょうか?
 
ごっくりと春潮を呑む窟かな いもがらぼくとさま
青の洞窟かも。
 
春潮の砕けて波の刃なり さとう菓子さま
鋭そうです。
 
サモトラケのなぎさ春潮のつばさ ニットさま
ニケですね。美しい姿ですが顔がありません。
 
春潮や吹揚城には人まばら ぽろたまさま
今は城跡だけでしょうか。
 
春潮や脈ひかひかと白くうつ 桂奈さま
オノマトペが光りを伴っています。
 
春潮やマストに高く日章旗 根本葉音さま
日本船籍なのですね。
 
春潮やゆっくり進む腕時計 佐川寿々さま
時間がゆっくりと流れていきます。
 
操舵席に見習ひ水夫春の潮 砂山恵子さま
実習船でしょうか。
 
江の島の肩まで浸かる春の潮 耳目さま
沖まで行きましたね。
いやいや読みを間違えました。
江の島が春の潮に肩まで浸かっているのですね。
気持ちよさそうです。
 
春潮やゆつくり息をする地球 小市さま
やっぱり地球も生きています。
 
春潮のようなインクを買いにけり 酔いどれ防人さま
綺麗な色なのでしょう。
 
春潮や職退きてより「さん」付けに 正丸さま
これからは役職のないお付き合いです。
 
春潮に溺れて魚になりし夢 大西主計さま
意外と楽しそうな夢だったのかも。
 
スキップで回る地球や春の潮 中山月波さま
地球も喜んでいます。
 
春潮や御嶽の磐の佳き湿り 楠えり子さま
ユタの方々は海辺で祈っているのでしょう。背後には久高島でしょうか。
 
春潮や臼歯に飴を噛み砕く 立志さま
バリバリバリと音が聞こえます。
 
春潮や隠岐路十五里七変化 GONZAさま
何やらいろいろ楽しめそう。
 
春潮の言祝ぐ安芸や朱の鳥居 ぐずみさま
厳島神社はこの季語に本当に似合いそうです。
 
秒読みの漁解禁や春の潮 こぶこさま
漁船が一斉に走り出す準備をしています。
 
春潮やハイヒール手にはずむ砂 シナモンティーさま
ご自身が「昭和のアイドル歌手の、レコードのジャケットの写真になりそう」と仰っていますが、そうであれば私的には写真家の篠山紀信さんの奥様、シンシアの愛称の南沙織さんを思い浮かべました。
 
春潮や仕掛けのおもり一つ足す まゆ熊さま
この方が大きな魚が釣れそうです。
 
産声の伝える笑顔春の潮 己心さま
新しい家族を迎える喜びです。
 
青空を吸い込まんとす春の潮 今日はアッシーさま
ご自身も大きく息をしたのでしょう。
 
春潮の菖蒲田浜に子らの声 枝温李さま
宮城にも春が来ました。
 
春潮や屋島名物瓦投げ 石川焦点さま
上手く輪っかを通るでしょうか。
 
春潮といへども浜の暗さかな 風花さま
東北とか北海道の海は、まだまだ色が濃いのです。