毎回、木曜日の発表を見る際は、全ボツを覚悟でなのですが、有難いことに今回も二句お採り戴けました。
私に俳才があるとは全く思えませんので、お墓参りした中将藤原朝臣実方さまがこっそり分けて下さった句だと思います。
実方さま、今回もありがとうございました。
 
もう一句は次のような句です。
蜩や海はO型だと思う
なお、この句に異論のある方はご一報下さい。
例えば、A型だとかB型だとかAB型である証拠をお持ちであるとか、性格の判断から違うと考える方のご意見をお待ち致しております。(笑)
 
私が勝手にご交流戴いていると考えている方の句に一言お言葉を添えたく思います。
なお、句の掲載が不快な方がいらっしゃいましたら、ご一報願います。
速やかに削除致します。
 
逆に交流があると思うのになぜ載せないのかという方もご一報下さい。
俳号だけを頼りに探すので、見落としが毎回ございます。
 
いずれにしても、本日入選なさった皆様、おめでとうございます。
 
悲しげに鳴くな黙るなかなかなのばか トポルさま
本当に蝉の野郎は思い通りにならないものですね。でも、人間はもっとでは?
 
蜩の響動めば山の喉渇く トポルさま
トポルさま、どよめくが読めませんでした。水を一杯下さい。
 
ひぐらしやひとりで選ぶアペリティフ ラーラさま
とりあえずビール。いや今日は、ラーラさまのために奮発してドンペリのロゼを。妻にはナイショなので、秘密にして下さい。
 
ひぐらしや父の女は妣に似て ラーラさま
あらまぁ、やっぱり同じような方がお好きなのですね。
 
蜩やちかん注意の錆びた文字 山香ばしさま
人通りの少ない田舎道の看板。真っ黒な毛むくじゃらで首に三日月のような白い模様のある雌の痴漢が全裸でそばにいるかもしれませんよ。
 
ひぐらしや佃煮色の谷中墓地 山香ばしさま
お墓が佃煮の色とは、独創的な比喩ですね。思わず谷中墓地の画像を検索しました。
 
かなかなや男が先に口ひらく 山野穴太さま
奥様と初めてのデートの思い出でしょうか?
 
かなかなかな次の列車で来はるやろ 山野穴太さま
これはいつもブログにアップする吟行の一コマですね。
 
蜩に枝分かれしてゆく記憶 小川めぐるさま
上五の助詞が「や」ではないところに深い意味を感じます。
 
赤チンは切れた蜩鳴き出した 小川めぐるさま
子ども達だけで山歩きでしょうか?擦り傷などに使い果たしてしまったのでしょう。
 
ひぐらしや杉の香抜けて鞍馬寺 いもがらぼくとさま
趣があるお寺ですね。一度お参りしたく思いました。
 
毒瓦斯の島ひぐらしの多島海 上里雅史さま
二度目の内視鏡の後のお加減が気になります。医療関係のお仕事なのでしょうか?
そういう島も多くの島が集まるところにはあるのでしょうね。旧日本陸軍管理の立ち入り禁止の島かも。
 
蜩が鳴く合宿の仮免許 石川焦点さま
合宿で免許って、よく広告を見ます。そういう映画もありました。
 
蜩や東雲色の母の帯 24516さま
お母さまの帯の色がとても鮮やかです。
 
蜩や青鈍色の闇迫り dolceさま
徐々に夜に近づいている様子が、綺麗に表現されていると思います。
 
かなかなや未だ走っている三年生 GONZAさま
三年生は夏の試合を終えて、受験に集中する秋、二年生以下しか新人戦には参加しないのですが、負けた悔しさなのでしょうか?
 
蜩が鳴きて森から濡れてゆく S.A.Y.さま
森から夕立になるですね。夏は雲が低いので100メートル程度離れても天候が違います。 
 
かなかなや性は単調なものといふ ウロさま
この性は性悪などの性かもしれませんが、性の営みと読むとまた味わいが違います。
 
忌み明けと言ふ別れあり朝蜩 けいやんさま
四十九日で死者は仏さまとなると聞きます。成仏の妨げにならないよう忘れてあげることも愛です。
 
蜩の中の一匹笑ってる さるぼぼさま
ご就職おめでとうございます。よく気付きましたね。蝉界のトップシークレットらしいですよ。
 
蜩やごっちんめしのテント泊 しらぬいのがねさま
アウトドア派ですね。ゆっくりお眠り下さい。
 
蜩に座禅の眉が動きけり ゆきたまさま
高僧の座禅も、蝉の鳴き声に反応しましたか?喝ーっ!
 
かなかなや喪へ黒靴を拭き始む 輝久さま
これからお通夜でしょうか?悲しみの中、お疲れ様です。
 
蜩やほころびほどくやうに川 剣持すな恵さま
こういう比喩はベテランの方でないとなかなか詠めないですね。感服致しました。
 
蜩やお米ゆっくり炊き上がる 佐川寿々さま
とっても家庭的な句ですね。以前募集した組長の新しい本の台所編に欲しい一句です。
 
蜩を棺の中で聞いてゐる 耳目さま
耳目さま、最近ブログの更新が遅いと思っていましたら亡くなられていたとは。
それにしても火葬を待つご本人からの投句とは俳人魂ですね。
それとも、もしかしたら、ダムカード・ダムカレーのカテゴリーにたった一人でいらっしゃることを棺に喩えたのかもしれません。
 
蜩や高杉晋作決起の地 松尾千波矢さま
明治維新の地からのダイナミックな句です。
 
蜩や塀は歪んだまま朽ちて 城内幸江さま
ありふれた風景なのかもしれないのですが、こういう景に気付くのも才能のある俳人ならではです。
 
蜩や火灯し頃の豆腐売り 水間澱凡さま
ラッパの音が聞こえてきました。昭和を描いた映画の一コマのようです。
 
カナカナに「よし」と開け入る登り窯 税悦さま
陶芸家の心が定まった瞬間ですね。
 
かなかなやエッシャーの絵に囚われて 中山月波さま
エッシャーの絵って、あまり見つめると絵の一部に描かれた存在になって出てくることができなくなるらしいですね。
 
ひぐらしや乳の詰まりの熱に倦む 桃猫雪子さま
お子様の食欲が少なかったのか、お子様を喪ったのか、若いお母さまであったころの思い出でしょうか?
 
蜩やスエ、ヌイ、ヨシの同窓会 桃猫雪子さま
人名がいかにも情景を物語っています。これから盛大な女子会ですね。
 
ひぐらしやラヂオのリリーマルレーン 楠えり子さま
こういう曲を聴きながら過ごす一時っていいですね。DJは東京ローズでしょうか?
 
蜩の宿に安坐の旅一座 楠えり子さま
川端康成の伊豆の踊子の一シーンを思い出しました。
 
かなかなや猫の爪詰むぱちんぱちん 猫愛すクリームさま
猫ちゃん大人しいですね。シャムちゃんを連想しました。
 
火星に肖るかなかな鳴かぬそのあひだ 比々きさま
不肖の弟子には想像つかない比喩です。それにしても比々きさんは火星も訪れたことがあるとは驚きです。
 
かなかなのつっと身に入り放心す 風花さま
蜩に成り切ってしまいましたか?邯鄲の夢でしょうか。
 
かなかなに耳を預けて夕餉かな 葉音さま
「預けて」が秀逸ですね。今後、大きく飛躍なさるのが目に見えるようです。同人ももうすぐですね。
 
蜩や鉄棒の熱冷めやらず さとう菓子さま
日射しで暑くなっていた校庭の鉄棒はまだまだ冷めません。
 
かなかなの鳴くやコンビニ村はずれ ぐずみさま
今では日本中隅々にコンビニが建っています。のどかな田舎の風景ですね。
 
蜩やキッチンに立つ三十年 まゆ熊さま
主婦としての矜持みたいなものを感じます。
 
蜩の萩城跡のお堀かな 松尾富美子さま
萩は植物の萩ではなく、地名でしょうね。お堀の水から秋を感じたのかもしれません。
 
牛舎越し蜩遠く鳴きにけり 酔いどれ防人さま
上五で情景があますところなく。北海道などを連想しました。花畑牧場かも?
 
蜩の調子っぱずれのひとつふたつ 全自動ひょうたん機さま
これは楽しい句ですね。私の詠む俳句もほとんどは調子っぱずれです。
 
山の変わりゆく蜩でかなしい 大須賀一人さま
破調の句ですね。時代の変化に感じる悲しめでしょうか?