今回は有り難いことに人選二句戴きました。
ありがとうございます。
いつものように全投句を公開します。
句の後ろに○が付いている句は、発表を見る前に疑似的に自選した句です。
組長の選を一句拾えましたが、もう一句は漏らしました。
まだまだです。
2017/3/13投句分
金星とならん菜の花風にのる
人生や菜の花迷路抜ける風
閉園の曲も迷路も菜の花の
菜の花の曲や閉園する迷路
人生は菜の花であるトルストイ
菜の花やコロポックルの靴の跡
菜の花やイーハトーブのビオトープ
星消えて菜の花の花びらとなる
蝶めける菜の花月の色を吸う
朝の星降り菜の花となりにけり
菜の花という星々の照る地球
菜の花やガイドと歌うバスの子ら
菜の花や手をつなぐ子ら登校す
菜の花や白髪見守る交差点
菜の花や子ら登校の一時間
菜の花や給食時間二人きり
菜の花や朝軽トラの排気ガス
菜の花や一両列車待つ生徒
菜の花や詰襟の子ら上京す ○
菜の花やセーラー服の君と行く
菜の花や教え子の待つ学び舎へ
菜の花よタイムカプセル埋めた日よ ○
菜の花や就職の日の無人駅
菜の花や女子柔道部走る朝
菜の花や夕方示す村の曲
菜の花や高く上がったティーショット
菜の花の束を並べた調理室
給食の菜の花の皿空青し
点描の鳥海山の菜花かな
緑濃くなる月受けた菜花かな
一日の菜の花畑変わる濃さ
菜の花やスタッカートのバイオリン
夕暮れや菜の花星となりゆけり
一両のローカル線の菜花かな
菜の花や送電線の塔高し ○
菜の花や発電風車点々と
菜の花を描いてポストへ走る吾子
カンバスの夕陽の赤と菜花の黄
指太き農夫刈り取る菜花かな
菜の花やコーンの赤き駐車場
菜の花の役場のランチナポリタン
オムレツのケチャップ菜花揺れる窓
菜の花と空せめぎ合う地平線
菜の花と空とふれ合う地平線
菜の花の緑隠れる地平線
菜の花の点描揺れて散る光
菜の花のふりかけめける小粒の黄
オムレツのように菜の花広がる野
さざ波のように菜の花揺れる午後 ○
見る限りブルーチーズの菜花の野
菜の花の妖精の黄の帽子めく
明け方の菜の花星の滑走路
菜の花の畑切り裂くハイウェイ
菜の花のファスナーめける鉄路かな
菜の花やスタッカートのリフレイン
群をなす動かぬひよこめく菜花
2017/3/14投句分
菜の花や全校生徒一人きり
一時間かけ登校す菜花の野
夕方の曲菜の花の揺れたる野
菜の花の濃さ変わりゆく一日かな
給食は生徒一人と菜の花と
菜の花やさめざめと泣くかぐや姫
菜の花や桂月の碑へ続く道 ○
菜の花やみどりごの泣く道の駅
菜の花や幼稚園児の列長く
菜の花や保育園児の乗るカート
菜の花やトラック停めて眠る人
菜の花や篝の照らす能舞台
ジャンボ機の影菜の花を滑りゆく ○
雲間から日の柱射す菜花の野
いっせいに羽ばたきそうな菜花の野
いっせいに飛び立ちそうな菜花の野
菜の花の飛び立つ時を待つ如し
地平線ごと羽ばたかんとす菜花
いっせいに飛び立つ準備する菜花
菜の花の今にも飛んでいきそうな
満天の星名の花の野を照らす
菜の花を照らした月を隠す雲
地平まで菜の花を塗る巨人の手
緑から黄へ変わりゆく菜花の野
2017/3/15投句分
菜の花や苦労の末の深き皺
菜の花や天女の舞の大広間
菜の花のひとひらずつの眠る夜
モザイクのように菜の花揺れる午後 ○
地平まで菜の花の黄を灯す朝
緑濃くなる菜の花の月夜かな
静けさや菜種の花の月灯す
菜の花を刈り取る朝の老夫婦
菜の花の黄色い海を渡る風 ○
朝月の溶け菜の花となる大地
苦労して菜の花咲かす老夫婦
菜の花の一日終えた月の声
菜の花や次の踏切まで5Km
どこまでも菜の花ばかり無人駅
自販機の灯り菜の花照らす夜
静寂の朝菜の花を濡らす雨 ○
2017/3/18投句分
菜の花や建ち並びゆくマンション群
菜の花や高架を滑る新幹線
菜の花や旅客機揺らす匂いの背
菜の花や振動匂う離着陸
菜の花や地平と指の間の菜花
菜の花やもののふの血をひく農夫
菜の花の辻立つ朝や横断旗
菜の花や幼稚園バス待つ母子
菜の花やボロ布継いで着た津軽
菜の花の畑のパッチワークめく
菜の花を過ぎる賢治の車窓かな
泣きぬれる啄木の目に菜花の野
寺山の描く菜の花畑とは
菜の花やメロスひたすら走りゆく ○
2017/3/19投句分
菜の花の匂いと出逢う月の道
菜の花を抜ける風から聞く調べ
菜の花の精の香りや星の声
あやかしの声や菜の花闇の中
菜の花の合唱めける畑の黄
菜の花の妖精かぶる黄の帽子
2017/3/20投句分
列守る菜の花時に揺れるとも
陽の熱を貯めて菜の花脂ぎる
一面の菜の花全て目指す天
菜の花の天目指し丈伸ばす朝
2017/3/22投句分
陽の矢数地へ菜の花となる朝
犬の紐張って菜の花風に折れ
菜の花や三十三の菩薩像
菜の花の夜や狛犬遠吠えす ○