首の皮一枚とはこのこと。
最後の投句が無ければ、全ボツ。
いつも思っています。
次の一句が選の句だと。
2017/2/25投句分
白雲の田鼠化して鶉と為る
雲海を見下ろす城や花の宴
花筵雲の間の空青し
雲海へ沈む機窓や花曇
花衣雲を貫く日の柱
雲白しアスパラガスの茹でた汁
藤棚の翳る雲行く青き空
親子雲流れる空やフリージア
あの雲へ届けシュートよ父子草
画用紙の雲二つ三つヒヤシンス
パンジーや芝生の空の龍の雲
花筏じわり流れる雲の影
幼子の画用紙の雲チューリップ
菜の花の迷路や雲の去る速さ
龍天に登る名残の雲の道
鷹化して鳩と為る婚活の雲
貝寄風の散らした雲や如来の手
物種を蒔いて見上げる雲の列
校門の入学試験終えた雲
雲梯の小学生や花水木
雲母割る賢治の指や金縷梅
雲を追う流れの速さ雛流し
卒園の母の涙や雲の影
春分の日や夕空の雲の色
初七日や弥生の朝日隠す雲
校庭の雲や蛙の目借時
星隠す雲厚き空花篝
チューリップ塗るクレヨンの空と雲
雲一つ消えて菜の花蝶に化す
月隠す雲の流れや花篝
旅の宿残花の月を隠す雲
還暦の残花追う旅浮浪雲
弁当やアスパラガスの雲の猫
猫の恋雲から透けて見える月
春闘の雲へ突き出す拳かな
満員の車窓の雲や新社員
春の海流れる雲を映しけり
遠足の動物園のような雲
雲白く海女のメガネを流れゆく
海面を流れる雲や潮干狩
風受けて雲まで届け石鹸玉
幼子の手から風船雲目指す
ぶらんこのつま先雲へ届く午後
厚き雲水子地蔵の風車
薄氷を流れる雲や杜の池
あの雲の寺まで五里の遍路かな
雲裂いてボートレースの弾む声
雁風呂の窓流れゆく雲白し
佐保姫の雲間貫く光る帯
お彼岸や今朝の雲仙普賢岳
山覚める朝の頂隠す雲
初恋を雲へ耳打ち桜草
2017/2/26投句分
逃水や光源氏の雲隠
薄雲の明石の姫や雪の果
モンゴルの果まで続く春の雲
龍天へ登り雲へと隠れけり
雲中へ高く飛び行き鶴帰る
鶴の巣へ雲間から射す日の柱
卒業の君と別れた茜雲
眠い目の雲起こさんと風光る
五色雲乗る妣を見ん彼岸の夜
サミットの雲丹盛るシェフの銀の箸
ITの雲クラウドの朧かな
大試験雲燦然と浮かぶ朝
山笑う野心のような雲である
卒業の朝や初恋めける雲
笑う雲笑いこらえている眼張
春昼や真理のような雲である
春光や裁きのような雲である
初恋のような雲なり蜃気楼
恋心めける雲なり春の虹
春泥や幼き恋のような雲
終末のような雲なり鶴帰る
鮫肌のような雲なり啄木忌
侍のような雲なり鶴の舞
あの朝の夢めける雲落とし角
優しさのような雲なり猫柳
あの雲のような女子や柳の芽
雲めける別れの女の辛夷かな
雲まとうような女なり沈丁花
青雲の旅立ちの朝初桜
十八の失意の雲や桜蘂
鶴の巣を飛び立ち雲をつかむ指
あの坂の雲つかまんと春の夢
雲丹飯はよしあきくんのお弁当
雲に乗るよしあきくんの春の夢
2017/2/27投句分
雲呑の蓮華に散らす朧月
星雲の間の虚無や春の夢
ドライバーショットの行方鳥雲に
雲二つ三つ従えて鶴帰る
運平を喜ぶ遺影黄水仙
空へ散り雲となりけり花水木
雲笑う声に誘われ山笑う
雲眠るいびき轟き山覚める
2017/2/28投句分
空色の雲に紛れて龍天に
雲の柄着て鷹鳩に待ち合わせ
波高し晴朗の海行く雲雀
雲水を一日気取る虚子忌かな
女形舞うえがかれた雲花衣
桃色の雲のてんにょや花篝
弘前の桜の雲の包む城
岩木山越えんと息を吸う雲雀
神棚のうえの雲の字蜆汁
擦り切れた踏絵の雲と空の雲
2017/3/2投句分
ほんほんと残雪雲となりにけり
はだれ雪境目のない雲と空
白雲やまだ点されぬ花篝
白雲やお宮参りの花衣
白雲やポストの道を行く遍路
白雲や卒業式の袴の娘
雲残し塗るクレヨンの春の空
雪代の雲吸い寄せる岩木川
春光のいくつも雲を割る柱
流れゆく雲をまた抱く朧月
不器男忌や愛媛へ向かふ杜の雲
雲消えた空の青から春きざす
雲雀東風校庭走る君の髪
年寄の村の空家や鳥雲に
2017/3/4投句分
猫の恋街の雲行き伝えしか
気に入らぬ雲ばかりかも残る鴨
鳥交る雲呼ぶ儀式かもしれぬ
闇雲なをとこ所帯の雛納め
臺與ひらく天の八重雲種降し
発艦の神風雲へ飛花へ礼
2017/3/8投句分
あの雲は桜前線通過中
雲の中当機は桜前線上
空桜前線の雲覆う朝
ちょうどあの雲桜前線あたり
兎像仰ぐ出雲の朧月
花に蝶雲竜型の土俵入り
段ボール越し雲仰ぐ子猫かな
スカジャンの刺繍の雲や鳥交る