今までの生き方が適当だったのか・・・
周りの人が亡くなる事が少なかったのか・・・
葬儀という葬儀は伯父さん以来。
伯父さんの時も告別式に出たんだけど、あまり覚えていない。
・・・お坊さんにお経をあげてもらっている時も
お通夜の時よりも思い出が蘇り涙が溢れてきた。
お父さんの棺を開けて愛用していた物を入れてあげる。
お父さんの野球のユニホーム
お父さんが、好きだった囲碁の本
お父さんが気に入っていた洋服
お父さんが着てくれてた私の作ったハンテン
お父さんが胴上げされている写真
お父さんが三途の川を渡るときに払うお金
棺に花で埋め尽くして
お父さんが好きな日本酒を菊の花で唇に湿らせてあげる
それが、本当にお父さんに触れるのが最後
どうしても、離れたくなくて
号泣しながら菊の花を回りに添えて
お父さんの顔をいつまでも触っていた。
お父さんの顔に私の涙が垂れた瞬間
おとぎ話の様に目覚めてくれないかと願った。
家族や、親戚、沢山の人に押さえつけられる様に
私からお父さんを引き離されたりもした。
私があまり泣きすぎると、お父さんが迷っちゃうから・・・
分かってるけど、離れたくなかった。
どうしても会いたいときどうしたらいいかの答えがまだ出てない・・・
「お父さん、お父さん、お父さん、お父さん・・・」
本当に何度お父さんと呼んだか分からない・・・
自分の事で精一杯で
周りの人が何を言ったか、何をしていたのか
全く、分からないほど号泣していた。
お父さんは、白・黄色・紫の沢山のお花の中から
顔だけを出した状態で棺のふたを閉められた。
その後、霊柩車に乗ってお父さんが向かう場所は、火葬場。
私が、どんだけ嫌がってても
当たり前に進行して、滞りなく進行していく・・・
葬儀委員長からの挨拶と高嗣の挨拶で告別式は終わり。
高嗣が涙をこらえながら挨拶をした時は、本当に泣けた。