夜中3時・・・


今までぐっすり眠っていたお父さんが目を開いて苦しみだした


今までの苦しみ方とは、全然比べ物にならない・・・




地鳴りが響くような・・・


声がかれてしまう様な声でうなる。


低く・・・苦しんでいる・・・顔がゆがんでる




咳も止まらない・・・


タンが絡んで、息を吸っても吐いてもカラカラと音がする




看護士さんが2時間おきに循環してくれるんだけど


タン引きをしてもらう。




このタン引きが本当に、本人も家族も辛いんだ。



お母さんと、お姉ちゃんと3人がかりでお父さんを押さえつける。


鼻の穴から管を通して喉にあるタンを吸引する。




吸引している間は、呼吸が苦しくなる・・・


吸引中は、お父さんも苦しいから


「あ”~!!」って叫び続け


「いてぇ~!!」って言う声が


隣の病室にまで聞こえそうな程だ・・・




吸引の管を抜くと


ゼイゼイ・・ハァハァ・・・



本当に、その姿を見るだけで涙が出る。


大切な人がこんなにも苦しんでいる姿を見るのが


とても辛い。



やめてあげてって言いたくなる。



終わった後は、ごめんね!苦しかったね!よく頑張った!


と、子供の注射の時のように父をなだめるが


あまりにも、可哀想過ぎる。




泣きながら


「高嗣が、明日のお昼に来るから、それまでは頑張って。」


「そしたら、もう、頑張らなくていいよ・・・」


って言ってしまった。




・・・もう、止まらない。号泣して、ヒクヒクしながら


お父さんが可哀想・・・


何で、こんなに苦しまなければならないのか・・・





・・・だけど、また取ったそばからすぐタンが絡む。


30分も経たないうちに喉がなる。


呼吸が苦しそうになって咳の感覚が短くなったら吸引する・・・




お父さんを何度も何度も抑え付けた。


父の鼻からは、鼻血も出て炎症を起こし


腕は、物凄い力で抵抗するから私達も必死だ。



父ともみ合った挙句、父の腕には


爪あとと、押さえつけて出来てしまったあざが残るんだ。



・・・格闘しつづけて3時間・・・


5時くらいにようやく目を覚まさずに寝てくれた・・・


父の意識はもうほとんどない。



目がうつろで、苦しんでいる時に言葉も話さないでうなり声だけになってしまった。


落ち着いて、眠りに付いたというよりは、


意識が遠のいてしまっている状態




・・・でもね、苦しむ姿を見ないで済むならその方がいいって思ってしまうんだ・・・