お父さんのトイレは、一大事!!




お父さんは、長いこと入院してたから、足腰が随分弱ってしまった。






トイレに行きたくなっても、トイレまで歩いて向かうと間に合わない。




だけん、オムツをするようになってしまっていた。




入院している時からそうだったんだけど、




入院中は看護士さんが、オムツ交換をしてくれる。




・・・それで、看護士さんは交換をする時に、




「外に出てください」って言うし、父も娘に見られるのも嫌だろうと




気を使って外に出ていた。








・・・でも、そうじゃなくて、私が何とも思わない事を伝える事が本当の優しさだと思い出した。




父も、本当は自分の力でトイレに行きたいみたいだから、




絶対に、トイレに行こうとする。




その前にズボンを脱いで、汚さないようにしてから向かう。




でも、最近は、トイレにたどり着く前に、倒れてしまう。




だけん、無理せんで、いいって言うんだけど・・・






父の頭の中では、まだ大丈夫って思うから、歩きたいし、チャレンジしたいんだと思う。




・・・私だって、そう思うし、そう思いたい!!




出来るだけ、協力はしたいんだけど、お父さんの体重を支えるほど私も力がないから。




「間に合わなかったぁ・・・」




と残念そうに言う父を励ますことしか出来ない自分が悔しい。






晃「ずっと、入院してたんだから、仕方ないよ!次は頑張ろうね!」




そして、オムツ交換をする。




父は初めて、私に変えてもらうので、抵抗があったみたいで、




「お母さんを呼んで」って言ってきた。






でも、お母さんは来客中で、父の話をして泣いている。




だけん、「私がやるから大丈夫だよ」といって、




見よう見まねでやってみる。






「ちょっと寒いけど、我慢してねぇ・・・」




「ウェットタオルで拭くから、冷たいけど、すっきりするでしょ!」




・・・そんな会話をしながら・・・




完了してから、お父さんに




晃「結構、お母さんに負けない位早くできたんじゃない?」




父「まだまだだなっ!(笑)」








30年近くも前に、私はお父さんにオムツを交換されていたんだねぇ・・・




お父さんが、やってくれたから、私もお返しにするよ。




まだまだな私が、完璧になる程、長く生きてくれたらいいのにねっ!!








父は以前、倒れてしまった自分を情けないと言った。




私は、今の父を情けないだなんて、一度も思わない。




むしろ、誇りに思う。




そんな父が、「ありがとう」って私に伝えてくれる事がちょっと悲しい。




当たり前の事をしているんだから、感謝される事じゃないんだよ!!