その忌々しい事件とは。。。


夏の大会が終わり、先輩達も引退してからの新人戦の為に毎日遅くまで部活があった。



時には、野球部やサッカー部よりも終わるのが遅いときもあった。


その日は、確か土曜日で明日がお休みだったから遅くまで部活をしていた。



下校したのが夜の8時になっていて、


夏といえど、周りは真っ暗。




残念ながら、同じ方向の子は一人もいない。


いつもの、道のりを、いつも通りに帰った。



・・・越谷や草加あたりの、駅から離れた道は、田んぼ道になっていて、


街灯も少ない。



そんないつもの道を走っていると、


後ろから、物凄いスピードで走ってくる自転車が1台・・・




その時は、全く何も思わなかったんだけど、ずっと後ろを付いてきていたんだ。


道は高速道路の下に入る道に近づく。


私の中での、最後の休憩ポイントになるコンビニを越えると


どんどん道幅は狭くなり、暗くなる。





今、考えれば、コンビニによれば良かったのだけど。


何も気づかなかった私は、遅くなったから早く帰りたくて、ノンストップで通過・・・




・・・調度、その辺から、疑心が出てきた・・・


「もしかして、ついてきてる?」



・・・少し、スピードを上げてみる。


その、スピードについてくる。



「完全に付いて来ている。怖い・・・」



・・・そこから、全速力で自転車をこいで逃げる。


相手も、必死に追いかけてくる。





・・・怖い。


・・・メチャメチャ怖い。





カーブに差し掛かり、このままのスピードでは曲がりきれない


仕方なくスピードを落とす。



・・・その瞬間!後ろのタイヤを蹴られて、ハンドルが取られた。




体制を崩して、自転車ごと倒れこむ。




・・・もう、その後からは現実なのか、幻なのか・・・


・・・今、思い出しても他人の事で、客観的に見ている様な情景が思い浮かぶ・・・


・・・自分の事なんだけど、うまく思い出せない・・・





とにかく覚えているのは、何回か顔面を殴られ犯させそうになったという現実。



完全にいかれている男だった。







・・・男の力は強くて、反抗しても反抗してもその手を解くことが出来ない。


しばらくして、もう解く事が出来ずに諦めて空を眺めていた。



・・・続く・・・