病院に着くと、7人全員で病室は厳しいので4人だけ来てもらった。
入院してから、日に日に口数が減っている父。
うなずく事も、少なくなっている。
・・・理解出来ないのか、わずかな首を動かすこともだるいのか・・・
だから、話が出来ないのかと思うと皆に紹介することが不安になる。
お父さんの手を握りながら、お母さんとお父さんに紹介する。
お父さんも、とぎれとぎれ、口を開く。
「遠いところから、ありがとうございます。」
・・・弱っている父が、親としての発言をしてくれる。
こんな時なのに・・・私の心配をしてくれる。
そう思うと、涙がでる。
母を見ると、母も泣いている。
涙もろいのは、母親譲り。
そして、母も続ける。
「本当に、ご迷惑かけてばかりだと思いますが、いつも娘がお世話になっております。」
「わがままに育ててしまって、家でも何もしないものですから・・・」
ボス「いえいえ。頑張ってくれていますよ。こちらの都合で福岡にも行ってもらってますし。そこでの、活躍は、皆励みになっているんですよ。」
母「そうですか。本当にそう言っていただけるとありがたいです。」
母「本当に30歳にもなって躾でもないですが、ビシバシ厳しくしてください。」
本当に、嬉しく思う。
お父さんにもお母さんにも、新潟のお父さんとしてちゃんと紹介できた。
ボスの口から仕事での活躍を伝えていただけると
少しだけ、ほんの少しだけ、親孝行が出来た気分になれた。
・・・親孝行って、私なんかが語れるものじゃないけど・・・
してもしても、しきったと思える事なんて無いのだろうなぁって思う。
沢山したと自覚した人がいたとしても、最後にはまだしきれんやったって、思うんやろね。
だけん、私は、時間のある限り、親の事を考えて、傍にいれるだけいたいと思っている。
今日の帰り、病院に泊まれる事を知った私は
晃子「今日、病院に泊まろうかなぁ」
って言った。すると、お父さんはいいって首を振った。
晃子「何で、そんな寂しい事言うの?じゃぁ。帰ろっと。」
と言うと
・・・うなずく。
晃子「何だよ!ちょっとは寂しいって言ってよ!」
父「ちょーっとだけ寂しい(笑)」
そんなやりとりで、安心して泊まらずに帰った。
・・・でも、車の中で母はこう言った。
母「多分、お父さんが寂しいよりも、お母さんが寂しがるから帰ってやれって事なのよ。」
・・・こんな時も、自分の事じゃなくて母のこと。
本当に、優しい父に育てられた。
自分の親を見て、こんな夫婦になりたいと思えるってとても幸せな事。
でも、改めて、本当にこんな夫婦になりたい。
親に、こんな風に思っているって事を伝えるのは気恥ずかしいけれど、
伝えない事は、後悔しそうで両親に伝えた。
そして、伝えられた事の幸せを感じる。
伝えたくても、時既に遅しでは辛すぎるから、今の大切なこの想いはリアルに伝えたい。
親でなくとも、そう思う!
だから、いつも私は全力投球!!
ボスとの続きは、食事編へ続く・・・