八方塞がり | 朝寝坊弁慶のささやかな交湯録

朝寝坊弁慶のささやかな交湯録

朝寝坊弁慶の由来は、朝寝坊して昼過ぎからのこのこと温泉に出かけていく習性に由来しております。

弁慶はなにかといえば、語呂合わせみたいなものです。

興味の幅がありすぎて、まとまりがありません。最近は京都に住んでいます。気持ち的にはです。

朝起きて鮭を焼き、玉子焼きや惣菜を2つの皿に分けたり2食分に相当するようにして、昼用のパンを食卓にわかるように置き、庭に出て朝顔に水を撒き、ごみを出してからシャワーを浴びて着替えた。



この朝顔は絶対エアコンを使わない親父の部屋の緑のカーテンになる予定なんだけどさ。


さて、出かける前に親父の様子を見ようかなと、普段は見ない部屋の方を見るとなぜか足が見えた。普段見ないのは唸り声で生きてることがわかるからで、唸っているのはいつものことだから、それは異常ではないってことなんだよね。だが、普通に寝ていれば足は見えないので、おかしいなと近寄って行くと畳にうつ伏せで倒れていた。


そう、普段通りうなっているから寝ていたというべきなのか。「どした?」と聞くと、「肩が凝ったからシップを貼ってくれ」と言うので、貼ってやった。これだけでかなりちんぷんかんぷんなのがわかるでしょ😆。


「で、どうする」と聞く。私には直感的に、これはただ、この状態から動けないのだとわかった。亀の反対バージョンというか、スタックした車と言うか、いずれにしろこの状態から抜け出せれば、普通に戻るはず。だか抜け出すのはかなり困難なはずだ。


「立てば平気なんだよ」と答えるから「それが問題だべ」と言うと両手を突っ張り上体を浮かそうとするが、ほとんど何も変わらない。首は右向いていて、主に突っ張っているのは左手、そして右足を曲げている。なんかチグハグに見える。


冷静に考えよう。まず、肩あたりに着いている手なり、頭なりを支点にして、足を使って腰を浮かせ膝を着いた状態を作り、そこで上体を腕で上がる。四つん這いになれば、そこから立てる。


さあ、やろう。でも膝を曲げても腰を上げるような動きはせず、畳を蹴りだす始末だ。


では次の手段。寝返りして横向気になろう。そこからなら、あとはいつもの手順で立てる。さ、どっちかの腕をたたんで横向き。ということで、腕をたたませようとすると逆に突っ張ったり、痛い痛いと抵抗する。


これは絶対無理だよな。どこを持ち上げようとしたって痛い痛いの連呼だし、そもそも私は介護のスペシャリストではない。どこをどう介助したら良いかなんてわからない。困った😓。


再度確認すると本人は立てる気らしい。会社行っちゃっても良いらしい。仕方ないのでしばらく様子を見るが、無駄に力を振り絞るだけで、様子はまるで変わらない。


そんなことを数回繰り返し、私は絶対起き上がれないことと、起き上がれれば立てるだろうということの狭間で困惑する。


2時間経過で救急相談に電話し、相談。3時間経過して開院した主治医に相談。いずれも私の私観は述べないで状況を説明すると、いずれも救急車呼ぶしかないと言う。救急車を呼べば入院を拒否するわけにもいかないだろう。


2週間前に通院した時に主治医から一緒に出直して来るように呼び出しがあったが、親父は嫌がって行かなかった。主治医は入院レベルな体調だと判断して、それが嫌なら在宅介護はどうかと勧めてくれた。それを話しても、はぐらかして聞こうともしない。在宅介護をお願いしていれば、救急車一択にはならなかったんだよ。と、私の中ではいろいろな思いが駆け巡るが、


相変わらず状況を理解せずにシップは大きいのを貼ったのか小さいのを貼ったのかなどと聞いてくる親父に、このまま放置したら、最終的には保護責任者遺棄致死になる可能性があるからそうは行かないんだとか、救急車呼んだら入院させられるけど、もう仕方ないだろと告げるが、どう理解しているかわからない。


救急車、呼びました。救急隊員3人がかりでも痛い痛いの連呼でしたが、あれは子供帰りなのだろうか。


以上で入院となりました。入院先は主治医に勧められて2年前に精密検査をしかかった病院。最初の検査で、詳しくは検査入院しないとわからないと言われたが拒否した病院。だから前回の検査資料は残っている。


状態の検査の結果は、肺癌と疑われる影は以前より大きくなっていて、それが原因と思われる胸水がたまり呼吸が圧迫され、若干酸素濃度が低い。腎臓も腎不全まではいかないが数値に問題ある。新たな状態としては尿閉。動けなくなった要因は特に見当たらない。


予想通りであった。病状も尿閉以外は主治医から聞いているので、わかっていること。肺癌の疑いを最初に指摘されたのはもう5年前でしたが、当時から手術、治療共に適応外と言われ、そんなことってあるのかって思ってましたが、もし治療していたらここまで生きてはいなかったのではないか、結果的に良かったのではないかと検査した医師は言ってました。


動けなくなったのはやはりその姿勢野問題で、身体的原因ではやはりなさそうです。本人的に何も変わっていないのです。


予定があってギリギリ間に合う時間だったので新幹線で東京に向かい商談していると、案の定、ベッドから立ち上がり、尿カテーテルを抜き、帰ると騒いでいるから拘束させてくれと病院から電話が来ました。で、問題はこれで立てなくなっちゃうんだよ、きっと。


かえすがえすも残念なのは、やはり在宅介護を話をした時に、ちゃんと聴いてくれていれば、まだ家に在られたし、自分の足で立って動けただろうと言うことです。これからどうなるのだろう。


ね。