​ありがとうサヨナラ


ゴールデンウィーク、母は弟に連れられ

実家に帰省していた。




昨年、母は兄に続き、自分を可愛がってくれていた姉も亡くした。




母は末っ子。



年末に亡くなった姉とは20歳違う。

もはや親子の歳の差。




母は7人兄弟だ。



「あんなにいっぱい兄弟がいたのに2人だけになってしまった。」

と、叔母の葬式の時に言っていた。





お墓参りと、高齢になった実家の義理の姉の顔を見に行ったのだ。




5月5日の午後、家に帰って来たところ

弟のスマホが鳴ったそうだ。




「〇〇おばちゃんが亡くなったって。」  





母より4つ年上の最後の姉。

とうとう母は、1人になってしまった。




トンボ返りで、また田舎に帰省したそうだ。

(私は、暫く家を空けていたので、聞いた話だが)  



私が帰って来たら、みんな出発した後。




やばい完全に出遅れた。



納棺、火葬、告別式…

間に合うだろうか。




朝、8時45分集合不安

田舎のスタート早過ぎるガーン




喪服を着て運転はチト辛い。

これはどこぞのパーキング🅿️で着替えだな指差し




葬儀ご会葬の一式は積んだ!

オッケーレッツGO私!





5時に出発

みんなを追ってひた走る。




生憎の雨。雨という名の豪雨あめ

おばちゃんの涙雨なのだろうか




「雨のため通行止め」表示に怯える。
ま、その時はその時だしょうがない。



とりあえず行ってみるか。  



そんなこんなで何とか会場に着いた。



間に合った!
おや?誰も居ない…早く着きすぎたか?
ヒールを履き、真珠を着けて
準備万端。



いとこに挨拶をし、おばちゃんの顔を見せてもらった。



笑顔がどことなく織田裕二に似た
底抜けに明るい可愛いおばちゃんだった。



子供の頃
我が家とおばちゃん一家で動物園に行って
みんなでお弁当を食べたっけな真顔



おばちゃんは持って来た茹でたまごを
いきなり私の頭に打ち付けたよね。



割れなかったし
めっちゃ痛くて号泣したっけ。



「あら〜ゴメン。意外と割れないもんだね。」
っておばちゃんが言ったら



「あんた自分の子供が側にいるのに
何でウチの子の頭で割ろうとするのよムキー」って
母が怒ってたよね。



懐かしいね。



おばちゃんは、昨年、ガンが見つかって
入退院を繰り返していたそうだ。



痛いとか辛いとかは言わなかったけど
食事が口にあわず、
「早く帰りたい」と言っていたらしい。  




みんなが集まり滞りなく納棺が済むと
身の回りの物や好きだった物を入れる。



掛かっていた布が外され
お盆に乗った大量の菓子があらわになった。



ご家族が涙を拭いながら
おばちゃんの枕元に並べる。



「コレ好きだったから」
いとこが手にしていたのは半分に切った立派な焼き芋焼き芋

「お母さん、焼き芋食べたかったんだよね。
入れておくよ。」


我が兄弟、不謹慎にも目配せで笑いを堪える。
既に焼けている芋だが
更によく焼き確定。
あまりにも衝撃的だった。



花を入れる時、おばちゃんの長男さんが
「これ、この間おばちゃん(母)が持って来た
おせんべい。美味しいって言ってたから入れたよ。」
と、教えてくれた。


この世で持って来た土産を
あの世で食べてくれるのか…
こんなことになるとは…


「最後に、皆さんお別れして下さい。」
と言うので



「おばちゃん、ありがとうございました。
皆さんにヨロシクお伝え下さい。」
と、私が言ったら



「くれぐれも、ウチの爺さんには気をつけて下さい。」と妹が付け加えた爆笑




おばちゃんは、顔の周りに
たくさんのお菓子とお花を入れ
エプロンを着けて旅立って行った。



ちょっとぐらい道に迷っても
食べる物あるから大丈夫そうだね泣き笑い




おばちゃんには、たくさんお世話になった。
思い出も感謝もいっぱいです。




織田裕二を見たら
おばちゃんを思い出します。



色んな意味で
葬儀に間に合って良かった。



おばちゃん、行ってらっしゃいパー
また会える日を楽しみにしてます。



​お腹いっぱい食べてね