「ビールに勝るものはない」。「ビール最高」。様々な和訳が想定されるが、[there]で始まり[nothing]を使うことで、臨場感が伝わってくる。大西先生曰く、「和訳にこだわると英語のハートはつかめない」。本当にその通り。

 さて、今回は説明型オーバーラッピング。自動詞、他動詞、副詞のくくりで英文法を学んできた私にとって、You look so happy. は「SV型+副詞」。You got angry.の[get]は他動詞もあるので、[angry]が名詞になる時もあるのかと思ってしまう。しかしこれは「SVC」の主語説明型で[be動詞]と全く同じ構造の文。[be動詞]以外にもこの型で使われる動詞がある。[look] [sound] [smell] [taste] [feel]等感覚を表す動詞がそうだ。[You look so happy.]。この文を見たとき、すぐに[be動詞]文[You are so happy.]と同じ構造の文だと見抜けなくてはならない。ただ[be動詞]のように意味の薄い動詞と違い、[動詞look]の意味が文全体にオーバーラップし「あなたはとっても幸せそうに見える」となる。That bread smells very delicious. I feel so relaxed.どれも説明型オーバーラッピング。This recipe looks easy. Why don’t you try making it? 軽い提案を付け足して。Your voice sounds strange. Have you come down with something? [come down with]は「病気にかかる」。

 説明型オーバーラッピングで使われる動詞は感覚系動詞だけではない。

Nothing remains the same. 「同じ状態でとどまるものは何もない」。[remain]は「留まる」。[stay]とほぼ同様の意味を持つが[stay]より「カッチリ」したイメージがある。Stay positive. He seems angry. またI became a doctor. は他動詞にも見えるが、[am]の代わりに [became]を使っていると考えると非常にスッキリする。You seem distracted. Is there something on your mind? 「気が散っているように見えるね。何か気がかりなことある」。 Lucy became an engineer. It was her dream as a child.

 次は[come]と[go]。My dream came true. My dream went sour.

この二つの動詞はある状態に至る、進むことを表すので、説明型オーバーラッピングと相性がいい。ただ[come]は良い方への変化。[go]は悪い方向への変化を表す傾向にある。これはおそらく、自分に近づいてくることは良いことの方が。離れていくことは悪いことの方が良いという心理状態からきていると思う。Things came right in the end. 「事態は最後には良くなった」。 My dog went crazy.「気がおかしくなった」。良いことと悪いことを使い分けている。Your prediction came true. It happened exactly as you said.「あなたの予想はあなたの言った通りになった」(おそらく話者にとっては良い予想だったのだろう)。The company went bankrupt. Over one hundred people lost their jobs. [bankrupt]は「破産した」。I think this yogurt has gone bad. It’s probably not safe to eat,

 最後はこの型で使われる動詞、[get]の表す変化に習熟する。

この動詞の基本イメージは「動き+手に入れる」。動き一般にまで意味を広げることから、一般動詞№1の汎用性を獲得している。I got bored with the exercise. [bored with the exercise]「飽きてしまった」状態が時間の変化と共に、その状態になったことを表す。It’s getting dark.進行形で変化に躍動感を加えている。My jacket got wetscaled . 「濡れってしまった」。I got asked my age by a few people. 「私は何人かの人に自分の年を聞かれる」。[get+過去分詞]の受動態は[be+過去分詞]より特に会話で多用される。特に大きな変化を表すわけではないが、[get]の動きによって、事態が起こった感触が予期せぬ、突然、驚き等、話し手の感情が加わる。I got scolded by my parents. I forgot to turn off the light again. 突然叱られたことが滲み出ている。I‘m getting sleepy. Can you make me a cup of coffee?

 

四方山話編

 

 父の日、母の誕生日とひとまずイベントは終わったが、まだ私の誕生日が残っている。

さて、妻の誕生日、妻の携帯が紛失。どこを探しても見つからない。長男が来て対処してくれ、GPSサービスで居所を特定。一度確認に行った家だったが、確信をもって再度訪問。なんと認知症の利用者が引き出しの中に入れていた。私達夫婦だけでは見つけることができなかったと思う。あらためて長男に感謝。