躊躇という漢字は難しい。訓読みはどちらの漢字も「ためらう」。足偏だから進むことを表していて、それをとどめるという意味。日本語にも「躊躇」にまつわる表現はたくさんあるが、その広がりは英語も同様。

 先ずは日本語の「躊躇」とほぼ同じ意味の[hesitate]

I hesitate to do that [to不定詞]とのコンビで、これからすることをためらう。I’m hesitant to do that. 形容詞形も使える。I’m not ready to do that.  I’m not ready for that. 準備が出来ていないのも躊躇を表す簡便な表現。I’m still on the fence about that. 狭い塀の上に立ってどちらに降りようか悩んでいる比喩的表現。It’s a complicated issue. 「複雑だ」という心情の吐露は「ためらい」も表す。I’m having the second thought about going actually.今回のタイトル文。対案(二つ目の案)を考えている(進行形)ことは考え直していることになる。

 次は躊躇しないで。

Don’t hesitate. 躊躇する相手を鼓舞し、背中を押す表現。Don’t think twice about asking for help. 二の足を踏んでいる相手に「助けを求めるのをためらうな」。You shouldn’t shy away from talking about it. [shy away]は「自信のなさ」「不安」から尻込みする。Don’t flinch from your responsibilities. [flinch]は「すばやく身を引く」。What are you waiting for ? You never get another chance as good as this one. どちらも「ぐずぐずしないで前に進みなさい」。 間接的表現を二つ。What’s stopping you ? 「何があなたを止めているの」。What’s holding you back ? 「何があなたを後ろに留めているの」が直訳。諺も二つ。He who hesitates is lost.「ためらう者は機会を逃す」。Opportunity doesn’t knock twice.「機会は二度のノックしない」。

 次は「混乱」を表す表現。

I’m confused by it. 「混乱」を表す代表的動詞は [confuse]「混乱させる」。感情を表す他動詞なので人の感情には過去分詞 [confused]。事物が主語。His explanation is confusing.のような場合は現在分詞 [confusing]を使う。I was bewildered by their decision, [bewildered]は「まごついた当惑」。 I was perplexed by their decision. [perplexed]は「知的な戸惑い」。I was baffled by their decision. [baffled]は「狐につままれたような困惑」。My thinking is messed up. [messed up]で「ゴチャゴチャ」。The situation has me messed up.目的語説明型を使えると会話は本当に楽になる。混乱の際たる状態「チンプンカンプン」を表す表現を三つ。I‘m lost「道に迷っているから」。I can’t make heads or tails of this. 「頭のてっぺんからしっぽの先までから」 My mind is all over the place.「あらゆる場所に飛んでいくから」。

 最後は何をしていいか分からない。

I have no idea what to do now. 最頻用フレーズ。[do]の所を強く読むことに注意。またいつも[idea]だけでなく[clue]「謎を解く手がかり」を使うバージョンも使い分けたい。I don’t know what to do.  I’m at a loss as to what to do, 「道に迷っている」I’m drawing a blank as to what to do,「~くじを引く」で困惑を表現。途方に暮れていることを相手に投げかける表現。What am I going to do ?  What should I do ?  What shall I do ? はっきりと相手に尋ねたいときは[do you think]を文中に入れて、What do you think I shoud do ?とすればよい。もちろん間接疑問文なので倒置は起こらない。

四方山話編

 コロナで面会が制限されていた母の病院が面会解禁となり2週間ぶりに面会。病室に入って私を見かけると少し頭を上げて迎えてくれた。まだ憶えていてくれて先ずは一安心。ただ夜になると点滴を外すことがあるのでミトンを装着。少し指が拘縮している。一緒に指の体操をしてひと時を過ごした。

 旭川は冬まつり真っ最中。昨年に続いて妻がアイスキャンドルを製作。深々と雪が降る夜は幻想的でとっても美しい。こんな素晴らしいところに住んでいることを改めて感謝したい。