英語教育改革は英語嫌いを増幅し、教育格差を拡大するだけになってしまった。英語4技能の習得は全てが中途半端。特に使える英語のためのスピーキングは、授業だけで教えることは不可能。小学校外国語科で英単語600語に触れ、中学英語の授業で英語だけを使えば、話せるようになるなってありえない。最も継続する力が求められる「語学」を、理屈も分からず詰め込めば、続ける気もなくなる。長い道のりが待ち受ける英語習得など実現するはずもない。初期の英語教育は、英語という言語の全体像、英語の気持ち等を特に大切にしなくてはならない。少なくとも全く得体の知れないもので終わってしまっては、道の先が閉ざされてしまう。

私の時代の英語教育は文法中心の教育方法だった。新しい文法が出てきても、それ以前の文法項目が復習されるので、「be動詞」と「一般動詞」、「疑問文」と「否定文」、「人称代名詞」ぐらいは殆どの人が理解していた気がする。今の教科書は昔と比べようもなく良くできていることは疑いようがない。(教科書が悪いと誤解している人は多い)しかしそれは全て理解できるということが前提。このままでは英語環境の整った一部の人のためのものになってしまう。それでは何のための英語教育改革だったのか分からない。英語を使える人は増えないままなのだ。国の政策は「船頭多くして、舟、山に登る」。学校で教える時間数と子供の家庭学習環境や能力への配慮がない。つまり達成不可能なのだ。このままではグローバル化を生きる人材は増えない。Before it’s too late.(Eagles Desperadoエンディングより)

閑話休題、今回も会話の中の同意・不同意の表現を見ていく。先ずは含みを残して同意するから。

I suppose you have a point there.

基本的には賛成だけど、完全には同意したくない含みを残しておきたい。「あなたの思うことは一理ある」そんな表現。「思考系動詞」は含みを持たせることが得意。特に[suppose]は、その傾向が強い。基本イメージは「心の土台」手持ちの情報や知識を土台として「思う」だ。

I think I agree with you. [think]が完全な断定から距離を感じさせる。I agree with most of all what you are saying.[most of all]が完全を否定。I agree with the gist of your idea.[gist]が全てではい雰囲気を出している。I agree with your up to a point. [up to a point ] は「ある程度」を意味する。You are probably right. [probably] 副詞を使って。You could be right. That could work. That could be an option. You may have a point. 助動詞が使うと楽だ。

 次は同意しない表現。

I completely disagree. 完全な不同意。

I can‘t agree.  That’s not true. どちらも簡単な表現だが、拙い英会話で不同意を表すことは殆どない。だから反射的に出るかどうかがポイント。

That’s not [how][the way] I see it. 「それは私の見解と違う」。I don’t see it the way, 「私はそのようには考えていません」。I don’t feel that way at all.「私は全くそのようには考えていません」。 I can’t go along with you on that. 「その点はあなたに同意しかねます」。That’s not something I can agree on.  That’s not my take on it.「それは私の見解と違います」

「見解の違いだ」と対立の鉾を治める言い方として、We’ll have to agree to disagree.  Let’s agree to disagree. 「見解の相違ということで」。

 次は強く相手に不同意を伝える表現。

Are you serious? きつく響く表現だがよく使われる。日本語で「マジかい。本気なの」と言うのと同じ。You must be joking,  You’ve got to be kidding. 「冗談でしょ」。No way. 「まさか」だけではない。「絶対いや」という「思い」でも使える。

Don’t give me that. 今回のタイトル文。直訳は「それを私にくれるな」だが、「止めてくれ」「よしてくれ」というニュアンスから「そんなこと言うな」という強い不同意。Come on.「おい、おい」様々な場面で様々に訳されるが、不同意でも使える。

What are you talking about?「何を言っているんだ」。[talking]を強く発音するのがポイント。

 最後は不同意のクッション。「同意しない」「賛成しない」は誰にとっても気持ちのいいことではない。だから相手の気持ちを害さずに不同意を伝えることはコミュニケーション力向上の一里塚。

I hate to disagree, but it’s not really necessary. [hate]「大嫌い」を使って、上手に前置きしている。I’m sorry but I can’t agree, [sorry but]のコンビは不同意に限らない汎用フレーズ。この組み合わせは使いすぎても使いすぎることは無い。I’m afraid that’s not how I see it.[「残念ながら私の見方とは違います」。[I’m afraid]は相手にとって都合の悪いことを伝えるときのクッション。

Not contradict you [I hate to contradict you] [I don’t mean to contradict you] but it isn’t necessary. [contradict]は「反論する」「逆らう」。

締めは反論を加える前の先手として、With all due respect , I have to disagree. 「当然払われるべき敬意をもって述べますが」。こういわれれば、冷静な議論もできそうだ。

四方山話編

 入場料が高いと記憶していたが、2,800円とは。ゴンドラに乗ってクマ牧場へ。山頂からはカルデラ湖・クッタラ瑚が望める。昔と比べると匂いもなく、かなり綺麗になったと感じた。それにしても雄熊は大きい。あんなのにやられたら一たまりもない。