中学英語で習う「見る」に関する動詞は3種「see」「look」「watch」。試験でこの3種を間違いなく選択することはさほど難しくない。他の言葉との組み合わせで覚えさえすれば良いからだ。しかしその違いを本当に理解しないとその後の英語の世界は中々広がらない。日本語で「みる」を意味する動詞が三つも出てきて、英語は良く分からない言語だと思い込んで生涯を終える中学生も少なくない。しかし、日本語にも楽しむ目的で見る意味では「観る」。医者が診察する意味では「診る」看護する意味では「看る」と使い分けている。決して英語だけが特殊なわけではない。英語圏固有の文化が生み出した使い分けなのだ。

 特に「see」の持つ「目を通して頭に入ってくる」イメージはつかみづらい。

 

 心が映像を捉え、深く心理に係りながら、大きな比ゆ的広がりを見せるこの動詞。日本人には殊更厄介だ。

中学英語で見ていこう。

先ずSee

①     …が見える。…を見る。見物する。

②     …に会う。

③     (…が)分かる。理解する。

④     See you. またね。

⑤     I see. なるほど。分かった。

名詞として使う場合を除くとこのように習う。意味を考えていこう。

①     は日本語とほぼ同じ使い方。

②     は「会う」とは相手が「見える」ことを意味するのでこう飛躍する。

③     は見えたことの結果に重点があって、「分かる」となる。

④     はあなたを頭の隅に置いているよ。会おう。という気持ちから、「またね」

⑤     自分の脳の中に刻まれたような感覚を表現している。

このような説明だけで、すぐに理解できるものではないが、丸暗記に留まらない、言葉の感覚を少しでも伝えられれば、英語嫌いを減らせるはずだ。

次にLook

 

①     見る、目を向ける。

②     …(のよう)に見える。

Look forward to …を楽しみに待つ。

Look at …を見る。

Look for …を探す。  

この動詞の基本イメージは「目を向ける」①の意味と重なる。しかし自動詞として使う場合は②のようになる。残りの駆動詞3つは前置詞との組み合わせで、他動詞として定着したもの。「何かの到達点を前にそのことに期待して目をむけているイメージ」①「ある点に目を向けて」②「あるモノを求めて目を向ける」③からこのような意味になる。

次にWatch

 

 …を(注意して)見る。

基本イメージは「集中して目を向ける」

すっかりお馴染みになった、エスカレーター前の「Watch your steps」「足元にご注意ください」。「Watch your mouth」「口のきき方に気を付けて」「Watch your weight」「体重に気をつけなさい」等、よく見ることは細心の注意を払うことにつながっていく。

 もし「みて」と英語で言うとき「see」と言ったらそれは「海、sea」と言っていることになる。「look」か「watch」を使って動作を促さなくてはならないのだ。

 最後にタイトルの

I’ll see to it」「確実にやります」これがどうしてこういう意味になるかは一つ一つの単語の意味を理解なくしてありえない。I’ll「私の意思」see「確かめる」to「到達点」it「話の流れ、状況を受けて」これらをトータルしてこういう意味になる。ネイティブは慣れで使えるが、そうじゃない人は意味を理解してから慣れるしかない。Practice(これはギリシャ語から来ている) あるのみ。

 

四方山話編

私の家の前の川に子狐が落ちてしまい、上に登れないでいた。夜になると親狐が来て、お互い悲しい声を掛け合っているのを聞くのも忍びなく、警察や市役所にお願いしたが取り付く島もなし。一週間たってもその状態が続いたので、顧問先の業者にお願いして、救出作戦を敢行。3日間橋を架けた状態にしておいた。子狐は見かけなくなったが、上に登れたかは定かではない。今日から雷雨の可能性もあるので、妻と長男に手伝ってもらって橋を撤去。やれることだけはやってあげたのだが。生きていることをただ願うだけだ。