実は、想像してたよりもロスってない。
だって、終わらなかった。

大阪へ向かう新幹線の中今日はどこに泊まろうかな、なんてネットで探してて
一息つこうとした瞬間にお知らせが目に飛び込んできて。
ちょっと事態を把握するのに時間がかかっちゃった。
公式サイトのお知らせや、キャストの方々のツイートが続々と連なって、
あまりにもみんな同じことを言うからどうやら本当らしいって思って。
なんだか不思議な感じだったなー、夢の中みたいだった。
感動の大千穐楽、みたいなのがなかったせいか、いまは静かな気持ち。
逆に少し経った時にじわじわ来そう。


マタ・ハリを再演してくれて本当に嬉しかった。
和樹さんがラドゥーに専念して、しかも3年前よりも安定感がすごかったせいか、
演劇作品として心穏やかに楽しめた感じ。
マタと彼女を取り巻く人々の物語に没頭できた。

初演の時は役替りのおかげで情緒がジェットコースターみたいだった。
稀有な演劇体験だったし、いまでもまだ
和樹さんのアルマンを観たい気持ちは残ってるけど笑

ていうかアルマンをすごく思い出しちゃったのは、
初日に「なんだかマルガレータに出会えなかったアルマンみたい」って思っちゃったせいもある。
諜報部の現場上がりっぽくて、過去にはそんなに恵まれてなさそうだし、
でも部下や組織のために戦いたい気持ちが人一倍強くて、
現状をだれよりも歯痒く思ってる人だった。

怒りや苛立ちのバリエーションが前よりも幅広くなって、
対マタ、対アルマン、等々どれも見応えがあったし
歌はなんていうかもう、ワイルドホーン歌いこなしてるなーって
ただただ聴き入ってた。

パーツごとで語り始めたらキリがないくらい
好きなポイントが沢山ある作品。
テーマとしてはとても重たいはずなんだけど観終わった後はなぜかすっきりしてる。
さち子先生の演出のおかげだと思うので、キャストが変わっても観続けたいな。

初演キャストはもちろん、再演キャストもそれぞれ素晴らしくて、
この座組みでよかった。
難しい環境の中で、また彼らに会うことができてよかったなー。



役替りゆえの情緒ジェットコースターはたぶんJtRで味わえるから、
そっちで楽しみにするー!