「で、彼氏がさ記念日のプレゼントって言って持ってきてくれたんだけどさ、開けたらちょっと透けてるいやらしい感じの下着だったんだー。やばくない?お前が嬉しいだけだろって思ってちょっと引いた。それからちょっと喧嘩になってさ。」


遙は彼氏と喧嘩した話を笑いながらしている

きっと彼女にとってその喧嘩は重要ではないのだろう

楽しんでるように思える

話がちょうど終わる頃、電車がゆっくり止まる

遙の最寄りの駅だ


「あー、もう着いちゃった。もう少し話したかったのに。また話聞いてね!バイバイ!」


電車のドアが閉まる

遙はまだ手を振っている

電話が動き、少し静かになった

やっぱり彼女は反対の人間だなと思う

少し羨ましい


イヤホンを耳に付け音楽を流す

時間を見て思う

帰ったら準備してすぐバイト先に向かわないといけない