一言だけ、ただ一言だけ嘘のない言葉を返した。
大丈夫? と聞かれれば、大丈夫だよ と嘘を言ってた。
寂しい? と不安そうに聞かれれば、寂しくないよ と笑ってみせた。
いつもいつも、そうやってずーっと本心とは違う言葉を返してた。
胸が苦しいってこんななんだ。
泣くのを堪えると喉の奥、こんなに痛くなるんだ。
それがただ一言だけ嘘のない言葉を言えたとき、
体中のいたる所を張詰めていた何かがバランスを崩したようで、
初めて本当の素直な涙を流せたんじゃないかと思った。
目を瞑ったら真っ暗だったのに、
そのとき目を瞑ったら白い明るい光を感じられた。
あったかかったなあ。
嬉しかったなあ。
すごくすごく温かかった。