■勝汰章の著作刊行本
「笑顔になるための246のことば」
悲しみを乗り越える時に・・・
夫婦/恋愛/会社、仕事/子供/家族/友情、信頼/お金/病気、事故/生と死/挫折/セックス/男と女/今/
2030年までの運勢鑑定付
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「料理が先です・・・それから・・・」
と、僕の手を払いのけた。その払いのける態度には愛情は感じられなかった。
「ごめんね・・・とても綺麗だったから・・・」
「いえ、いいんです。お食事にしましょう」
と、美幸は料理を食べ始めた。美味しい、とてつもなく美味しい。
こんな奥深い山の中にでも新鮮な魚介が並んでいる。
「美味しいね?」
「はい、母から聞いたことがあります。日本一だと・・・」
「お母さんは何度か?」
「えぇ、何度か・・・」
「署長さんと?」と、尋ねると美幸の顔色が瞬時に変わった。尋ねてはいけないことなのか?
「・・・知りません・・・」
「そうですか。それと、食事が終わったなら少し外でも散歩しませんか?」
「ごめんなさい。疲れているので・・・早く休みたいと思っています。夜は寒いですよ」
「そうだね。でも、少しだけ散歩してくるよ。庭園もあったし・・・」
会話のない食事であった。夫婦になったのであるから、少しは美幸のことを知っていたかったのだ。
散歩でもしながら話してみたいと思っていたが無理のようである。
食事は終わったのであるが、何とも味気のない雰囲気であった。
すると、食事の終了を見計らったように仲居が部屋にやってきて片付けをし、寝床の準備を始めた。
何とも無機質な仲居だ。殆ど会話はない。まるでロボットのように動いていた。
「美幸さん、ちょっと散歩に行ってきます・・・」
「はい、私は先に・・・」
これが新婚初夜とは思えない。愛が存在していないという感覚が押し寄せていた。
外に出た。僕に一つのアイデアが浮かんだ。まだ、時間的には午後の七時だ。
つまり、友人に結婚したということを連絡しようと思ったのだ。
外を歩きながら携帯電話を取り出す。そして・・・何と圏外だ。
携帯電話は使うことが出来ない。確かに山中ではあるが・・・庭園を移動しながら携帯の電波を受信出来る場所を必死に探したが無駄であった。
すると、どこからか仲居が僕の傍に来て。
「このあたりは携帯は使えません。もし、電話をかけたいのならフロントの公衆電話を使って下さい」
と、言って去って行った。何か監視されているようにも感じた。
公衆電話なら使える。急いでフロントに向かった。
この旅館も街と同じように明るすぎるぐらいの街灯が設置されていた。夜という感覚を忘れさせるように。
フロントの横にある公衆電話を見つけたが、小銭を持って来ていないので誰かを呼ぼうとした時、突然、女将が目の前に現れた。
「この電話は無料です。ご自由に・・・」と言う。
「ありがとう・・・」
僕は電話のボタンに指をかけた。何かおかしい・・・?
プッシュボタンが一つしかない。真ん中に一つだけである。
どこを見てもボタンは一つ・・・外線方式なのかと思い押してみた。
「はい、どちらの番号ですか?」と、女の人の声だ。
やはり外線方式なのだと思い、友人の電話番号を伝えると、その女の驚くような声がした。
「無理です。ここからは街だけと通話できます。他の地域とは通話できません。ルールです。あなたは、誰なのですか?名前を言って下さい」と、甲高い声であった。
「山田と言いますが・・・知り合いのところにかけようと思って・・・」
「山田さん?あぁ、結婚された方ですね。無理なのです。ルールですから・・・」
「結婚したことを伝えたいのです。何とかなりませんか?」
「ルールです」と、あっさりと冷たく切られてしまった。
すると、女将が現れて「山田さんのような方は初めてですよ。もっとルールを勉強してくれないと、私も困ります。署長から怒られますからね。それと、明日は七時に朝食です。その後、タクシーが迎えにきますから、それで帰って下さい。今夜は美幸さんを大事にしてあげて下さい。さっ、お部屋へ・・・」
「すいません。迷惑をかけるつもりはなかったのですが・・・」
「いいえ、おやすみなさいませ・・・」
この旅館も完全に孤立している。外部との接触は出来ない。
次第に不安というよりも恐怖心のほうが強くなっていた。
どうして外部との接触を嫌うのだろうか?何かがある?知ってはいけない何かが・・・
部屋の戻ると美幸の姿はない。すると、テーブルに置手紙があり、体が冷えたので温泉に行っているということと、家族風呂にいるので来て欲しいということだ。
僕は、不安や恐怖心よりも美幸と一緒に風呂に入られるということの欲望のほうが強くなっていた。
家族風呂に着くとスリガラスの向こうに美幸?の体が透けて見えた。
急いで浴衣を脱ぎ捨てると・・・
「美幸さん、僕だよ・・・入るよ」
「はい、少し待っていて下さい・・・湯船の中に入りますから・・・」
湯船の中に人の入る音がした。
僕は戸を開ける・・・そこには肩まで湯につかっている白い肌の美幸が後ろを向いていた。
黒髪が、とてもセクシーだ・・・
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