■勝汰章の著作刊行本

 「笑顔になるための246のことば」

  悲しみを乗り越える時に・・・

夫婦/恋愛/会社、仕事/子供/家族/友情、信頼/お金/病気、事故/生と死/挫折/セックス/男と女/今/

2030年までの運勢鑑定付

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ゴミ出し・・・指定の場所に置いて下さい。毎日収集します。分別の必要はありません。


ゴミの袋は街のスーパー等で住民カードを提示すれば無料で貰えます。


大型ゴミ・・・役場に電話して下さい。どんなものでも無料で引き取ります。


光熱関係・・・水道料金は無料。電気とガスは基本料金のみ(月額千円ずつ)


電話・・・各家庭でご負担下さい。携帯電話も同じ。


街役場の中の施設・・・スポーツセンター、図書館は無料。


街の運営している福利厚生施設・・・全国に十カ所の温泉旅館は無料。


二十才、三十才、四十才になった方には、記念として百万円を贈呈します。


・・・・

というのが概要であった。




こんなに素晴らしい街はない。




何度読み返してみても同じであった。これは現実なのであろうか?


現実だとしたなら、こんなにも素晴らしい街に越してきたことを神様に感謝する。



次の店は、歩くこと十五分のところにあった。



さっきとは違って、居酒屋のような感じの店であった。



戸を開けると、中から大きな声がした「いらっしゃいませ・・・」


「募集を聞いて来たのですが・・・」


「あぁ、山田さんね?まぁ、座って下さい」と、五十才ぐらいの女の人が笑顔で迎えた。


「いつから働けるの?」さっきの店と同じ質問だ。


「街の小冊子の条件でしょうか?」


「そうね、あなたは若いから、全ての金額に十万円上乗せでどう?」


「えっ・・・それでいいのですか?」


「それでいいなら、今日からでも働いて欲しいのよ。先日、一人辞めたから・・・」


辞めた? こんなに良い条件の店を辞めたのか?




病気が何かかもしれない?こんなに好条件の店を辞めるということは理解できない。


それとも、他にもっと条件の良い店があるのだろうか?


僕は、疑問を持って尋ねてみた。



「何で辞めたのですか?」


「独立したのよ。だから・・・」


「独立・・・ということは、店を開店したということですか?」


「そうよ、それが何か?素晴らしいことじゃないのよ。皆が幸せになれるのなら・・・それはいいけど、うちで働いてくれるの?今夜は宴会があるから忙しいのよ。どう?」


と、何やら懇願しているようにも思えた。




「はい、今日からお願いします」と、言ってしまっていた。


一度、アパートに帰ってから来ますと言うと、今から働いて欲しいと言う。

午後の三時になっていた。


一通り店の中のことを教えてもらったのであるが、僕が以前経営していた店と似たようなところが多くて覚えるのには時間はかからない。


簡単な料理を作って味見してもらったのであるが問題はないという。


この店の屋号は、幸福屋という。基本は居酒屋であるが、昼間はランチも出している。


席数は三十席。この女が主人で娘と他に社員が働いている。


娘は、二十六才で独身。もう一人は五十才過ぎの男だ。


二人とも料理は不得手らしくて困っていという。


この女主人は、幸田美鈴、娘は美幸。男は永山一郎。



僕の一日目が始まっていた。



こんなに素晴らしい街で、こんなに高給を貰えるということが嘘のようであった。



その夜、五時から宴会が始まった。


近くの建築会社の社員の親睦会ということらしい。


若い社長と若い従業員の十六名であった。


僕は料理を作りながら、ふと、一つの疑問を持った。


こんな高給を支払っても店を経営できるのであろうか?



さらに、今気づいたことがある。それは、僕の住むことになった乙女荘も家賃が異常に安いということだ。六畳と三畳の部屋と台所で月に二万円で管理費もない。



ましてや、礼金も敷金もなかった。唯一必要なのは、不動産屋への手数料だけだ。



あの時は、とにかく安いということで決めたのだが、今思うと、納得するところがある。



この街は、役場からの支援という何かがあるのではないか?


そうでなければ、今の日本において、こんなことが出来ることはない。



それにしても、不思議なことはあるが素晴らしい街だと思った。




この街なら新しい人生をやり直せる気がしていた。










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