■勝汰章の著作刊行本
「笑顔になるための246のことば」
悲しみを乗り越える時に・・・
夫婦/恋愛/会社、仕事/子供/家族/友情、信頼/お金/病気、事故/生と死/挫折/セックス/男と女/
今/
2030年までの運勢鑑定付
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「私が先だ・・・私の番だ・・」
「いや、君じゃない。私が早く来ていた」
「私だ・・・順番を守ってくれ・・・」
僕は、何が何だか分からない。近くにいた女性に尋ねてみた。
「あらっ、あなたは初めてなの?知らないのね?」
「はい・・・」
「これはね。寄付の順番なのよ。街に寄付したいという人なのよ」
「寄付ですか?何で順番なのですか?」
「今日は寄付の日なのよ。午後の十一時から・・・だから、順番なのよ。早く寄付するといいことがあるのよ。だから、順番と言って騒いでいるの。いつもこうなんだから」
と、微笑みながら僕を見た。
何なのだ?寄付する順番が早いといいことがあるのか?
「寄付したらいいことって何ですか?でも、順番は関係ないのでは?」
「本当に知らないのね?」と、その女性も列に並んだ。
しばらくすると、さっきの騒然とした雰囲気は一変し静かになっていた。
みんなが一列に並んでいる。そして無言になった。
すると、何やら係りの男性がその列に向かって話し始めた。
「本日は忙しいところご苦労様です。では、これから寄付を受付けます。いつもと同じように、指定した袋の中に寄付を入れて下さい。必ず、寄付する方の住民カードも忘れずに入れて下さい。寄付が終わった方は、後で住民カードをお返ししますから、必ず、受け取ってからお帰り下さい。では、最初の方からどうぞ・・・」
並んでいた人たちは、整然として袋を箱の中に入れている。
さっきの殺伐とした雰囲気は微塵もない。
僕は、その光景に驚きというよりも何か肌寒い感じを覚えた。
一体、この寄付というものは何なのだろう?
すると、さっきの女性が僕の傍にやってきた。
「あのね。寄付すると、住民カードの限度額が増えるのよ。最初は百万円なのは知っているわよね?」
「それは知っています。でも・・・どうして増えるのですか?それと、どれぐらい寄付したら増えるのですか?」
「それは誰にも秘密なのよ。一つだけ間違いないのは、一番から十番までの人には別の特典もあるのよ。だから、最初は言い争いになったりするの。その特典というのは何なのかは誰も教えてくれないし、誰にも聞いてはいけないのよ。役場の小冊子を見ていないの?」
僕は、小冊子を貰ったのであるが、目を通していなかった。
それにしても、不思議な街だ。
寄付の時間は、滞ることなく終わった。終わった人の顔を見ると、皆、すがすがしく安心したようにも見える。その中に一人の若い男、年のころなら僕と同じぐらいではないだろうか?が、僕の横に来て話しかけた。
「お若いですね?あなたも寄付ですか?」
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