■勝汰章の著作刊行本
「笑顔になるための246のことば」
悲しみを乗り越える時に・・・
夫婦/恋愛/会社、仕事/子供/家族/友情、信頼/お金/病気、事故/生と死/挫折/セックス/男と女/今/
2030年までの運勢鑑定付
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医者からの通知で、患者の全てが近くの大学病院で再検査を行うということになった。
「いつごろからですか?」
「一週間前キャ・・・」
「僕も一週間ピー」
「私も同じぐらいタマ」
「俺もニン」
「体で何か不調がありませんか?」
全員はないと答えた。
それから、一人ずつ咽頭や喉頭のレントゲンと頭のレントゲンを撮影したのだが、何の異常も発見することは出来なかった。
その夜、大学病院では会議が行われていた。
「まず、耳鼻科部長から・・・」
「咽頭も喉頭にも何の異常もない。炎症があるかと思ったのだが、それもない。あらゆる部位を調べてみたが何の異常もない。私では何も出来ない。信じられない奇病です」
「次、脳外科部長」
「脳をエムアールアイで検査しましたが異常はありません。脳血管のつまりと予想していたのですが・・・全員健康そのものでした。脳外科としては、これ以上は・・・」
「次、心療内科部長」
「はい、精神的なもので、チック症のようなことが起こることはありますが、これは全く別のことだと結論を出しました。今までの経験上において信じられない奇病だと断定出来ます」
各科の医師部長たちは、どうしたらいいのかということで悩んでいた。
その言葉を発する人は次第に増えていき、他の町でも、ナス、ホウ・・・という言葉まで出ていた。
しかし、その気病にかかった人は少数であり、保健所としても放置するしかないと考えていた。
死に至る病気ではないし、奇病は奇病なのだが、精神的におかしくなるということもなかった。
一人の患者は、他の人の発する奇妙な語尾になることはなく、その人は一つだけの奇妙な語尾しかなかった。
ただ、その奇病にかかった人にとっては大変な毎日となっていた。
ある銀行でのことだ。
「佐藤さん・・・佐藤美智子さん・・・こちらへどうぞ」
「佐藤ですニン・・・この書類がニン・・・すいませんニン・・・こういうニン・・・すいませんニン・・・」
「いいんですよ。ゆっくりと話して下さい。落ち着いて・・・」
「はい、これが書類ですが、いいですかニン?」
「ウフフ・・・いいですよ。手続きは明後日には終わっています。明後日の午前中に印鑑を持って来て下さい」
「・・・ニン・・・」
一つ確かなことが大学病院の検査で分かった。
それは、言葉を発している時は何ともないのであるが、一旦言葉が途切れたなら奇妙な語尾になるということだ。
しかし、治療の手立ては全くないままに都内に広がっていった。
最初は数人程度であったが、一ヵ月後には百人にまで広がっていた。
いくつかの大きな大学病院が連携して、厚生労働省の指導で対策本部を作ることになった。
この奇病によって困ることはないと思われていたのだが、人としての会話がうまくかみあわない。
テレビ局の中ではワイドショー的に奇病患者へのインタビューをして放送しているところもあった。
「大変ですね。生活に支障はないのですか?」と、レポーターが聞く。
「大丈夫キャ・・・話さないと何も困ることはないキャ・・・」
「本当に面白いですね?いゃー、初めて聞きましたよ。家族は何と言っているのですか?」
「もう、慣れたようキャ・・・でも、話すことは少なくなりましキャ・・・」
「あなたの町が一番多いということを聞きましたが、町中でこのような言葉が氾濫しているのですか?」
「はいキャ・・・隣の奥さんや子供の学校の先生も同じキャ。だから、先生は授業にならないキャ」
「ハハハ、笑っては失礼ですが、面白いですね。私は何ともないニン・・・あっニン・・・」
「なりましキャ。突然発症するのですキャ」
「そんなニン。バカなニン。私がニン・・・キャではないニン・・・」
この奇病は突然発症するのだ。
連日、ワイドショーでは、この奇病の特集を放送していた。
今のところは東京都内だけで発症しており、他府県には発症の事例は報告されていない。
東京都内だけということで、政府としても何とかして広がることを防ぐことに終始していた。
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