■勝汰章の著作刊行本

 「笑顔になるための246のことば」
  悲しみを乗り越える時に・・・

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■中古車屋探偵 雪田正三の殺人日記 1 前代未聞の車爆破トリック  TOPより

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■かあさんの裁縫箱と、とうさんのライター TOPより

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「はい、全てのことを話しました。栄一さんが生きているということも・・・しかし、純一郎さんは警察に追われている身ですから、セブ市内よりも安全な田舎の町のホテルで会うことになったのです。そこから先は、皆さんの知っている通りです。親子の20年ぶりの再会でした。私は、この親子を引き裂く卑劣な手助けをしたかと思うと、何と言って謝っていいのかと言葉もありませんでした。そこで、純一郎さんが、父親の復讐のために人を何人も殺しているということを聞かされたのです」




その時の、金田純一郎と栄一の会話である。




「とうさん・・・生きていたんだね・・・僕は、僕は・・・」

「あぁ、20年も苦労をさせたな・・・かあさんは元気か?」

「・・・再婚したよ・・・でも、とうさんの敵討ちのために協力してくれた。とうさんの姉さんの真奈美さんや、茂美さん、茂美さんの息子・・・とうさんの子供だろう?・・・和義というんだ・・」

「茂美の息子が、とうさんの子供? 本当か・・・」

「そうだよ・・・とうさんの子供だよ・・・僕と一緒に、今度の復讐を手伝ってくれたよ・・・」

「復讐・・・何だ? とうさんが殺されたということの復讐なのか?皆で?」

「そうだよ・・・とうさんの復讐だよ。もう、4人も殺してしまったよ。御手洗、浅田、倉重、そして、海野・・・最後に、かおるさんも殺そうとしたんだ。皆、僕がやったよ。とうさんを殺した奴らを許すことはできなかった。だから、皆、殺したよ・・・でも、とうさんは生きていた。かおるさんから、とうさんのことを聞いていなかったなら、間違いなく、かおるさんも殺していたよ。でも、とうさんは生きていた。どうして、連絡してくれなかったの?とうさんが生きているということを知っていたなら・・・」と、栄一の胸に顔をうずめた。



純一郎にとっては、父親の暖かな胸へ顔をうずめることは一生ないと思っていたのだろう。




胸にうずめた顔を、栄一は必死でさすっていた。二人の目には大粒の涙が、とめどなく流れていた。



その場にいた、山根かおる、フランコも大泣きしていた。



「純一郎・・・これから、どうするんだ?警察が追っているのだろう・・・」

「・・・自首・・・するしかない・・・でも、4人も殺しているから、極刑になると思う・・・僕は、とうさんに会えただけでいいよ。とうさんたちは、警察へ出頭して、これまでのいきさつを話して欲しい・・・」

「お前・・・まさか・・・変なことを考えているんじゃないか?」

「大丈夫だよ・・・逃げられるところまで逃げてみるよ。自殺なんかしないよ・・・だから、とうさんたちは、早く出頭して欲しいんだ。お願いだから・・・僕は、何とかなるよ・・・香港の闇ルートとも付き合いがあるから、香港にでも逃げておくよ。大丈夫だよ・・・香港のルートは大きな組織だから、絶対に・・・」

「お前は・・・とうさんが昔、闇ルートとの付き合いを断ったから殺されそうになったことを知らないのか?あのような組織は、人を人とも思わない。御手洗のような奴ばかりなんだ。それよりも、皆で自首しよう。それが一番だ・・・」

「自首にはならないよ・・・僕がやったことは分かっているし、自首にはならないよ。大丈夫、必ず、逃げてみせる。とうさんは心配しないでよ・・・早く・・・警察へ・・・」

「そんなことは許さない。お前が人を殺したのも、元はといえば、とうさんの責任だよ。とうさんも逃げることはできない。かおるさん、フランコ・・・警察へ・・・早く、後のことは心配ない・・・」

と、栄一は、純一郎と行動をともにするという強い気持ちがあった。

一方、山根かおるもフランコも一歩も引こうとしない。



二人についていくという強い気持ちを示したのだ。

4人の気持ちはひとつになっていた。何も怖いものはないという強い気持ちで結ばれていた。