■勝汰章の著作刊行本
「笑顔になるための246のことば」
悲しみを乗り越える時に・・・
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■中古車屋探偵 雪田正三の殺人日記1 前代未聞の車爆破トリック TOP
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「山根さん・・・しっかりして下さい・・・あなたしか語ることができないのです。これまでのいきさつを話して下さい。あなただけです・・・それが、あなたに残された最後の仕事だと思って下さい。僕たちは、真実を知りたいのです。20年以上前からの真実を・・・・」と、僕は優しく問いかけた。
ここからは、山根かおるの記憶の回想になる。
どこまでが本当のことなのかは、誰も分からない?・・・そして、山根かおるは、ゆっくりと話し出した。
「22年前に、私は、御手洗晋の会社に入りました。そして、1年後には愛人になったのです。お金の問題もありましたが、精力的に会社運営をしている姿を好きになったのも事実です。そのころには、金田栄一さんや倉重さんも同じ会社で働いていました。事業は順調だったのですが、欲の塊の御手洗は、裏のルートで大金をつかもうと画策していたのです。御手洗の命令に逆らうことはできません。特に、倉重さんや浅田さんは金に目がくらんでいて、非合法なことでもやっていました。しかし、金田栄一さんだけは、御手洗に早く止めるようにと言っていたのです。でも、御手洗は聞く耳を持ちませんでした。それから、数ヶ月して、栄一さんは会社を辞めるということを御手洗に話したのです。御手洗は、栄一さんを止めましたが、栄一さんの気持ちは強くて・・・」と、目を伏せた。
「結局、栄一さんは辞めたのですか?」
「はい、御手洗は、しぶしぶ承諾したのです。しかし、御手洗には別の考えがあったのです。私は、その考えの内容を聞いて愕然としました。栄一さんが辞めるとなると、もしかしたなら裏の仕事・・・つまり、密貿易ですが、それが発覚するのではないかと?強欲で疑い深い御手洗にとっては、栄一さんの口から何か洩れるのではないかと思ったのです。そうなると、御手洗は、栄一さんの存在が疎ましくなってきたのです。倉重や浅田にも相談したようですが、結局、御手洗が、栄一さんを殺害しようという決定をしたのです。そのことは、3人だけの秘密にしていたようです。私は、何も聞かされていませんでした。栄一さんが辞める前の日に、御手洗が栄一さんの退社祝いのパーティーを開くというのです。その日、初めて殺害するということを聞かされました・・・」
「それで、かおるさんも同意したのですか?」と、僕は強い口調で尋ねた。
「そんなことはありません・・・私は、反対しましたが、御手洗からは、お前も賛成しないと栄一と同じことになるぞ・・・と、脅かされたのです・・・反対することはできませんでした・・・御手洗の愛人でしたが、心のどこかでは栄一さんへ好意を持っている自分がいたのです。真面目で何にでも真剣な栄一さんのことが・・・」
と、顔を手で覆って、また、泣き声になっていた。
警察船は、マニラ港の岸壁に近づいている。
一旦、山根かおるの取調べは中断して、マニラ警察署内で始めることになった。
マニラ署には、徳野茂美、ベニーノ真奈美、井上八千代、徳野の息子の和義が留置されている。
何か不思議な因縁を感じた。