■勝汰章の著作刊行本


 「笑顔になるための246のことば」

  悲しみを乗り越える時に・・・

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変装でもしていたならば見つけることは難しい。

さらに、金田栄一と山根かおるの顔は誰も知らないのだ。

ただ、日本人というだけであった。

「岩ちゃん・・・それ当たりかもしれないよ・・・僕たちは、ビビアンのことだけに夢中になっていたよ。そして、必ず、客船に乗るということ・・・逆に考えてみたならば、船をマークしていたほうが間違いはないよ。海上ならば、警察の船を待機しておいたほうが有利だし、昼間なら見逃すこともない。空からだって追跡できる。大越さん・・・どう、思いますか?・・・」

「・・・岩崎さんの言うことのほうが的確かもしれません。ジョセフの話で、ビビアンのことばかりになっていました。時間がないのですが、もう一度、検討してみましょう。2隻の船のうちの1隻は、マニラ第一岸壁に停泊している。そして、出航は、午後の3時。そして、マニラ沖に停泊している客船は、昼の12時に出航する。しかし、その船は乗船できない。ただ、停泊していて時間がきたなら出航する。ということは、マニラ第一岸壁の船が怪しいということになると思います。ビビアンのほうは、他の刑事たちが張り込んでいますから、私たちは第一岸壁に行ってみましょう。乗船窓口で待機していたほうがいいかもしれません・・・」

「そう思います。必ず、陸路・・・車で来るとも限らないと思います。第一岸壁の傍に船をつけて、それから客船に乗り込むことも考えられますよ。そうであるならば、完全に盲点をつかれるとこです。時間がありません。早く行ってみましょう・・・」

僕たちは、第一岸壁に向かうことになった。

たまには、岩崎弁護士もいいことを言う。僕たちの盲点を岩崎弁護士は探していたのだろうか?

「岩ちゃん・・・お手柄かもしれないよ・・・昨日のドジの汚名挽回だな・・・」と、僕が言うと。

「まぁ・・・こんな俺でも役にたつこともあるさ・・・弁護士とは冷静なんだよ・・・」

「冷静・・・ん・・・まぁ、今回は、逮捕できたらということだよ。まだ、認めないよ・・・ハハハ」

「なんだよ・・・アイデアを提供したのにな?・・・雪ちゃんは厳しいよ・・・」

「まぁ・・・結果だけだよ・・・確かに、岩ちゃんの言うことは認めるから、岸壁に向かっているんじゃないか。その点は、誉めておくけど・・・」

「まぁ、長年の弁護士経験がものを言うことを目の前で見ることになると思うけどな・・・」

と、何の根拠もないくせに、意外なほどの自信を持っていた。

何の根拠もないのに・・・・

僕たちは、ほどなくしてマニラ第一岸壁の客船の傍に着いた。事前に何人かの刑事は張り込んでいたのであるが、マニラ警察の方針としては、ビビアンの家に重点をおいていたから、何かのんびりとした雰囲気であった。

客船に乗り込む人をチェックしているわけでもなく、ただ、船を見ているだけの刑事たちであった。

「大越さん・・・これじゃあ、何にもなりませんよ・・・僕は、客になってもいいですから、船内に入りたいと思っています。チケットを買ってもいいですか?一般人なら問題はないと思いますが・・・」

「・・・それもいいとは思いますが、船内を探すということですか?」

「はい、もうすでに乗船しているかもしれませんよ。そしたら、何の意味もない・・・今いる客だけでも調べてみたいと思います・・・駄目でしょうか?」

「こんなに大きな船ですよ。一室、一室調べていくということですか?それは無理ですよ。私は、まだ、マニラに着いていないと思います。どんなに早くても、1時間以上後になると思っています。それと、今、別の刑事が、乗船している人をチェックしていたのですが、日本人の3人組みはいないということです。4人かもしれませんが、それもいないということです。出航までには、7時間もあります。まぁ、あわてないで待っていたほうがいいと思いますが・・・」

僕は、あせっていた。確かに、大越刑事の言うことのほうが正論だと思う。