■勝汰章の著作刊行本
「笑顔になるための246のことば」
悲しみを乗り越える時に・・・
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僕たちは、警察の船で海に出ることになった。
しかし、海といっても広大な広さである。どこを、どう探したらいいのか・・・途方にくれる・・・
また、大越刑事がヘリコプターを要請した。
海と空から捜索するという、大掛かりなものとなっていた。
外は、夕闇がせまり、このままなら捜索することはできないだろう。
しばらく捜索してみたが、その船を発見することはできなかった。
海上は完全に闇の世界となっていた。夜空には満天の星が瞬いている。
3人も、この星を見ているのであろうか・・・
と、ふと思っていると・・・
「雪ちゃん・・・・気分が・・・悪い・・・」と、岩崎弁護士がかなり弱っていた。
「船酔い?」
「・・・最初は何ともなかった・・・とても気持ちがいいと思っていた・・・しかし、駄目だ・・・もう・・・」
と、船の上から顔を海に突き出して青い顔色になっていた。
「何だよ・・・岩ちゃん・・・船の観光は最高だと言っていたくせに・・・もう駄目なのか? どっちにしても戻るしかないよ。こんなに暗いと探しようがないって・・・残念だけど戻るよ・・・」
「早く戻ろう・・・駄目だ・・・死にそうだ・・・早く・・・」と、完全にグロッキーになっていた。
「大丈夫だよ・・・あと、10分で港に着くと言っていたよ・・・もう少しの辛抱・・・ハハハ・・・」
「・・・笑いごとじゃ・・・・ない・・・死ぬ・・・・」と、騒いでいた。
結局、港に着いてからも、4人の所在は不明のままだ。今日の捜査は打ち切られた。
相手は船だということで、これ以上捜査することは不可能だとの結論だ。
見知らぬ土地で、僕は大きな不安にかられていた。今回の事件は、いつも、何かが僕たちを邪魔しようとする。
もう一歩というところで、迷宮の城へと入ってしまう。
もう一歩なのだ・・・純一郎と死んだはずの父親の栄一が一緒にいる。そして、謎の女の山根かおる、さらに、ジョセフ・・・
ジョセフの自宅にも刑事が張り付いているが、彼から奥さんへは何の連絡もない。
僕たちは、ジョセフの奥さんの好意で、その夜はジョセフの家に泊まることになった。
この土地には、ホテルというものは一軒もなかったのだ。
大越刑事と、ジョセフの奥さんのスージーの会話に興味を持った。
ところどころ大越刑事が通訳してくれていた。
「ジョセフは、65才になります。もう、警察では調べいると思いますが・・・以前は、マニラで貿易の仕事をしていました。老後はゆっくりと暮らそうということで、ここに移り住んだのです。10年ぐらい前です。私と結婚したのは、25年前になりますが、未だに、何の仕事をしているのかは分かりません。ただ、貿易ということだけしか話してくれないのです。不安もありましたが、何の不自由もなく暮らせるので、それでいいと思って付いてきたのです。子供もいないし、私はここを終の棲家としていこうと思っていました。何故? 警察に追われないといけないのでしょうか? 私にも詳しく話してくれませんか?・・・」
と、大越刑事に懇願していた。
それを聞いて・・・大越刑事が、重い口を開いた。
今までの経緯を話したのだ。勿論、捜査上において話せないこともある。
口外できる最低限の話をしたのだ。