■勝汰章の著作刊行本

 「笑顔になるための246のことば」

  悲しみを乗り越える時に・・・

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「やっぱりそうか?徳野という名前を聞いて、もしかしたならと思っていたけど、本当にそうだったのか・・・しかし、偶然というものは不思議だよな・・・雪ちゃん?・・・」

「驚きましたよ・・・岩ちゃんがいるとはね・・・しかも、茂美の弁護だよね・・・相手にとっては不足はない・・・って言うことか? しかし、お互いに嫌だよ。で、茂美の話は聞いたの?」

「ある程度はな・・・あっ、そうだ・・・もう一人殺害される予定だと言っていたが?・・・」

「茂美も話したんだな?・・・山根かおるという女だろう?今、フィリピン全土を調べているよ・・・で、これから、茂美の取調べに入るけど・・・?」と、僕が言うと。

「岩崎さんも・・・同席したらどうですか?」と、新開刑事が言った。

「通常は・・・ないが・・・まぁ・・・聞かせてもらおうか?雪ちゃんもか?」

と、尋ねるので、僕も同席させてもらうことにした。

徳野茂美と、警察の取り調べ室で顔を合わせることになった。

つい、先日までは、僕の心の中に淡い恋心を芽生えさせてくれた女なのだ。

不運としか言いようがない・・・

こんな形で対面するということは、全く、予期していないことだ。

真奈美の弁護士も、刑事部屋にやってきた。

どうやら、真奈美も全てを自白するという気持ちになっていたようだ。

実行犯ではないから、とりあえずは、参考聴取という形になると、大越刑事が言う。



確かに、直接、手は下していないから、純一郎や和義の犯行の動機の確認となる。

フィリピン国内にいるであろうと思われる、純一郎とフランコの所在は、以前として不明のままだ。

山根かおるの所在も不明だ。

マニラ署は、フィリピン全土の警察へ緊急通達を出していたのであるが、全く不明のままであった。

僕たちには、あせりの色が顔に現れていた。この時間に、もしかしたなら?・・・山根かおるが殺害されているのかもしれない。それも、車の爆発という、卑劣な手段で・・・

そして、茂美の取調べが始まった。

「大半は、和義くんから聞いています。あなたの息子が、栄一さんの子供だとは驚きました。そして、共謀して御手洗たちを殺害した・・・ということは間違いありませんね?」と、新開刑事が尋ねた。

「はい、間違いはありません。八千代さんと二人だけで実行しようと思っていたのですが、子供たちに知られてしましました。どんなに説得しても、子供たちは言うことを聞かずに、手を出してしまったのです。一番恐れていたことが現実となったのです。もう、引き返すことはできませんでした。和義と純一郎さんとは、心友なのです。異母兄弟という不思議な関係が、そうさせたのかもしれません。ただ、金田栄一が殺害されたということが発覚しなければ、何もない普通の友人だったと思います。異母兄弟ということを知らない時は、皆、幸せな日々でした。確かに、香港の闇ルートとの付き合いはありましが、本当に幸せでした。八千代さんから聞いていると思いますが、何も知らないほうが良かったのです。和義が金庫の中の箱さえ見なければ・・・」と、瞳の奥は、霧のかかった湖のように霞んでいたように見えた。

「それで、殺害方法について伺う?どうして、このような手の込んだ殺し方をしたのですか?和義くんは、純一郎に頼まれたと言っています。それに間違いはないですか?あくまでも、純一郎が主犯だと?・・・」

「はい、和義は、純一郎さんの手助けをしたのです。年も2才年下ということもあって、純一郎さんには不思議となついていたのです。ですから・・・父親を殺されたということが分かった時に、純一郎さんからの依頼を断ることは出来なかったと思います。和義は利用されたのです・・・」

「茂美さん・・・母親として和義くんを庇う気持ちは分かる・・・しかし、和義くんは、自分から殺害に協力したと言っていますよ。あなたの言うことは、母親としての気持だけです。八千代さんも同じようなことを言っていました。親なら、子供を庇う・・・当たり前のことですが、ことは殺人事件です。あなたの気持ちを聞いているのではない・・・私は、真実を知りたいだけなのです・・・そこを、しっかりと考えて下さい。あなたを信用して、必死になって動いていた雪田くんのことも考えて下さい。雪田くんは、最後の最後まで、あなたを庇っていました。あなたは、嘘をつくような人じゃないと・・・」と、新開刑事が、ゆっくりと茂美の肩に手を置いた。

「・・・すいません・・・私は、警察の捜査状況が知りたくて、雪田社長に近づきました。警察へ、爆破されてた車のことを聞きに行った時に、偶然に、探偵のようなことをしている中古車屋さんが、引き取ったらしいと聞いたのです。確か、課長の小川さんという人でした。私が、しつこく聞いたので、何の問題もないだろうということで、雪田さんのことを教えてくれたのです・・・」

あの、多摩西部署の、頑固者の小川課長だ。




女に、だらしないという噂は聞いたことがあったが、徳野茂美のような美人には弱かったのだろう・・・