明日は、早退して保護者会に出席するというのだ。

普段は、息子の学校のことには興味がないような顔をしているが、事が事だけに出席するということだろう。

普段は、何もしてくれないだんななのに、何か急に逞しく思えてきた。

やはり、男の人は、肝心要のところでは男になるのか。男というよりも親であることの感覚が強いのは当たり前だと思う。明日は、だんなと一緒に初めて保護者会に出席する。

多分、保護者会は大荒れになると思う。大荒れは大荒れでいいのではないか。

普段、親として言いたいことをはっきりと言うべきである。

今回は、いじめられた子供の自殺未遂という大きな問題について、学校側の本心を真剣に聞きたいと思った。

どのような親御さんでも同じであると思う。

翌日、学校の体育館には入りきれないほどの保護者が集まっていた。問題の大きさを物語っていると思う。

噂では、自殺未遂の女の子は、学校には登校していないらしい。

あくまで、噂なのだが、その女の子の家庭は複雑で、母親が離婚して、一緒に暮らしている男と今は内縁関係だということだ。地味でおとなしい女の子ということと、内縁の夫にも中学生になる女の子がいるらしい。

その4人の家族だということしか分からない。

最初に、校長の話が始まったのだが、どうも歯ぎれが悪い。10分もしたであろうか、保護者の一人が立ち上がって自殺未遂までの経緯を説明しろと詰め寄った。それからは、校長や教頭の答弁もしどろもどろになっていった。

周りを見渡してみてもマスコミ関係の人はいないようである。

今の時点ではマスコミには知られていないようだ。ただ、保護者の中にはマスコミに話して問題を大きくしたほうが解決としてはいいのではないかという話をしている人もいた。

結局、自殺未遂までの詳細な経緯ははっきりとしないままに所定の時間になってしまった。

保護者からは、時間を延長して経緯をしっかりと説明すべきだとの意見が多くだされたが、学校側は、子供のために専門のカウンセラーを常駐させて子供のケアにあたるということを繰り返し言うだけだ。

怒号がうずまくままに終了したのだが、何が原因で何を解決していくかということが先延ばしになってしまった格好である。すでに、夜の7時を過ぎていた。

私の息子の学校も所詮、他の学校と同じであると思ったのだ。だんなも、怒り心頭という態度で、校長に詰め寄ったが、今後、精査して保護者の方には説明をするということしか言わない。

何のための保護者会だったのか、全く意味不明であった。

しかし、誰かがマスコミにリークしたのかもしれない。翌日の新聞に、このことが大きく出てしまったのだ。

その日の夕方に、校長はマスコミに対して説明会を開いて、事の全てを公開し始めた。

各テレビ局の中継車も学校の周りに待機している。どうも、大きな社会問題化しそうな予感である。

2度目の校長の説明会で、学校側が謝罪をしてきた。事の経緯が自覚できたのかもしれない。

今後は、職員一丸となって、いじめ撲滅に向けて頑張っていくとのコメントだ。

私の身近に起こるということは予測もしていなかったのだが、いざ、起こってみると学校側の対応というものは、不透明であり、責任を負うというものでもない。何か、いい加減な公務員じみた責任のなすりあいのようで、親としては非常にやるせなく、悲しく、怒りすら覚えてしまった。

今後は、どうなるのであろうか。時間とともに風化していくのかもしれない。

学校の対応を見ていると、今だけ乗り切れば何とかなるという考えであるように見えてならない。