ゆっくりとした時間が流れる軽井沢の朝。
窓の外は、早朝から緑が輝いていて
キビタキの声も雰囲気を高めてくれる。

それにしても、、、
昨晩は飲み過ぎてしまった。。

さやかは心なしか、笑顔が増して
朝から少しお喋りになっている.....。
朝食もそこそこに、部屋を出た僕たちは
昨晩の記憶をなぞり、そして確かめるように
ゆっくりした足取りでフーガの径を歩む。

堀辰雄の「風立ちぬ」の本の扉裏に
ヴァレリーの詩の一節が引用してある。
Le vent se lève, il faut tenter de vivre.
でもこれ、実は誤訳なんだよね。
正確には、The wind is rising: we must endeavor to live.
日本語の訳は、風吹き起こる、生きねばならぬ。

堀辰雄と矢野綾子の儚くも眩しいロマンスを想うと
荒立てて訂正することではないのだけれどね。
『風立ちぬ いざ生きめやも』
うん、それでいい。
それよりもフーガの径を歩くときは
頭の中にバッハのフーガを奏でて欲しい。
そんな文学史、序曲史な要素が楽しめるのも
軽井沢の趣の深さですよね。
そして今度は鳩山通りを歩いていると
道脇から望める茂みの奥にオドリコソウらしい花。
・・・でも、見たことが無い黄色。
僕は初めてみたので
とても興奮してしまいました。

そんな動揺をみせる僕の腕にしがみついて
さやかは花の名前を訪ねてきたけれど解らない。
当たり前だけど花言葉も解らない。。
で、帰ってすぐにオドリコソウに
黄色の花があるのか調べてみると…あった!
通常のオドリコソウは白から
薄いピンク色が入ったりもするけれど
黄色い花をみせてくれるのは
ツルオドリコソウと言うそうです。
普通のオドリコソウの花言葉は、陽気や快活なのだけど
ツルオドリコソウの花言葉は 清明。
清明、、それは万物に清朗の気が溢れて来る頃。
ん~~ 清明、そして清朗。
まさしく梅雨入り前の新緑が燃ゆる軽井沢に相応しい言葉だ。
なんか、感動。。。