入院生活も安定してきて、私も週一の面会で事足りるようになり、毎週土曜日の病院通いもルーティーンと化してしまうとさほど苦でもなく。
つまり慣れたってことなんでしょうね。
そんなときに事件は起こった。
後日兄から聞いた話だけど心底ビックリした。
まだまだ部屋の前にアラームマットがある時期だと思うけど、そんなある日の夜。
周りはもう真っ暗です。時間は10時前とかそのぐらい。
兄は庭先でタバコを吸っていたらなんか呼ばれてる気が…
最初は気のせいと思ったけどいやまて。確かに誰かが自分の名前を呼んでいる。周りに目を凝らすと、そこに実母がたっていた。
もう、これだけでホラーですよね。
なんで❗どういうこと⁉️
あわてて自宅に入れて病院に連絡を入れると、確かにベッドはもぬけのから。
それはそれでどうかと思うけど、とにかく病院に返さねば‼️
と思い、とんぼ返り状態で送り届けたそうだけど。これ、よくよく考えると病院側の過失よね。
どうやって抜け出したかというと、要領得ないけど、多分夜間専用の通用口を通って(ここも8時には閉まるので抜けたのは恐らく8時前。もしくはたまたまその日に施錠する時間がずれた)外に出て、おぼろげな記憶をたどりながら家路に向かったと。
ちなみに病院から自宅までは歩くのが速いと言われている私でも20分はかかろうかという距離。途中、国道や県道を横断しないと我が家には帰りつけない。ちなみに一級河川に通じる川も越えなければなりません。踏み切りもあるな。そういえば。
街灯は要所要所にあるけれど人通りがほとんどない田舎道。
こんな中、目も耳もおぼつかなくて、歩けるけどよろよろしながらの状態でよく事故にも遭わず帰ってこれたねえ。
と感心している場合じゃない。
当の本人はわるびれもせず。
よほど家に帰りたかったのでしょうか。
つづく