2012/07/28 | まつがはな くもにかけはし

まつがはな くもにかけはし

いち腐女子による 私的 二次小説ブログ



大津・いじめ自殺
中2男子生徒を見殺しにした本当のワル

ネタりか 追跡
(2012/7/26・27・28 14:01)


(1)

「教育委員会は、自分たちのことしか考えてないということがよくわかった!」

「いじめられる子を持つ、親の立場になってみい!」

 7月13日に開かれた大津市議会「教育厚生常任委員会」の緊急報告を傍聴する父兄らからは、そんな怒りの声が飛び出した。

 学校と市教委、さらには警察の後手ぶりが全国の注目を集めた滋賀県大津市立中学2年の少年(当時13)転落死事件は、対立が激化するばかりで、一向に終息のメドが立たない状況が続いている。


 もともと、悲劇が起きたのは昨年10月11日のことだった。

「大津市尾花川にあるマンション敷地内で、午前8時過ぎに少年が仰向けの状態で死亡しているのが管理人に発見された。最上階の高さ約1メートルの手擦りには乗り越えたような跡があり、警察は飛び降り自殺と断定したのです。その後の市教委の調査で、少年が事故の2カ月あたり前から、複数の同級生に陰湿な嫌がらせを受けていたことが判明したことから騒ぎになったのです」(社会部記者)


 ここまで事が大きくなった原因は、なんといっても学校、教育委員会の"まるで他人事"といわんばかりの対応の悪さにあった。

「自殺を受けて学校が全校生徒にアンケートを行ったのは2回。その回答には『自殺の練習といって首を絞めていた』『葬式ごっこ』などという異様な記載が並んでいた。にもかかわらず、市教委の公表が一部のみだったことは、首を傾げざるを得ません」(地元紙記者)


 実際、このアンケートの回答内容には、目を覆いたくなるような言葉が並ぶ。

〈コンビニで万引きをやらされていた〉

〈銀行の口座番号を教えさせ、お金をとっていた〉

〈手足をロープで縛って、階段を上がらされていた〉

〈カエルを食べさせられそうになっていた〉

〈トイレでいじめられていた〉

〈体中をはちまきで拘束されていた〉等々。




(2)

 また、少年が死亡前に送った「もう俺死ぬわ」とのメールに対し、加害者少年らが「死ねばいい」と返信したことや、事故後に「死んでほしかったし、良かった」と漏らしていたことも判明した。だが、市教委は事故後3週間で調査を打ち切り、現場の教師でさえも、「(自殺に至る経緯に)いじめの認識はなかった」と言い張っていたのである。

「同校の校長は、『生徒が自殺する5~6日前から一部生徒に揉め事があって、担任からも喧嘩が起きていると報告があった』『この時点でいじめとは認識していなかった』と述べている。当時の担任は、いじめを見て見ぬふりをしていたばかりか、加害生徒に『やりすぎるなよ』と声をかけたとされ、抗議されている有様なんです」(地元紙記者)


 そんな学校側の鈍感ぶりに、少年の遺族は加害者とされる同級生らと大津市を相手取り、今年2月に約7720万円の損害賠償を求めて提訴。遺族がそれ以前に、3度にわたって滋賀県警に被害届を提出し、全て不受理となっていたことも発覚した。県警は、7月11日になってようやく学校や市教委に家宅捜索に入ったが、その対応は誰の目にもあまりに遅すぎるものだった。

 もっとも、行政や警察の対応がすべからく後手に回ったのは、このほかにも理由がある。

 当初、少年は加害者グループと遊び仲間だったという。生徒の間からは「初めは、かまってもらって喜んでいるようにも見えた」(同級生)との声も上がっているが、少年が死亡するとこれが一変。学校内部の力関係が事件を隠ぺいに向かわせたようなのだ。

 その最たるものが、加害者側の反応だった。実は3人の中のリーダー格であるAの母親は、事件当時にPTA会長を務めており、地元に多大な影響力を持っていた。そのため、学校側はアンケート結果の公開を見合わせたと見られるのだ。


 同校の父兄がこう明かす。

「Aの母親は、事件直後に学校で開かれた緊急説明会で『うちの子は犯人扱いされて学校に行けなくなった。もし、自殺したら(犯人扱いした)保護者や先生の責任ですからね』と、喚いていました。あまりの勢いに先生方も押し切られ、言葉がなかったほどなのです」


 また、前出の地元紙記者もこう話す。

「アンケートの結果発表があんな形になったのも、あの母親を刺激したくないと先生たちが変に慎重になったから、という見方もある。もともと大津市教委は、古くから我関せずの体質で、それが事件で一気に噴き出した形なのです」


 そのため、加熱する報道に慌てた大津市は、13日に冒頭でも記した「教育厚生常任委員会」で緊急報告を行ったが、その内容は報告というよりも教育委員会と学校の自己弁護に終始するありえないものだった。



(3)

 市教委の基本姿勢は「いじめはあったが、自殺との因果関係は立証されていない」とし、死亡した少年に関しても「いじめられているということが、恥ずかしくて言えなかったのではないか」。「いじめ以外にも、家庭や個人のことがあったように聞いている。(その内容については)個人情報保護の観点から申し上げられない」などと、遺族の感情を逆撫でするようなコメントを並べ立てたのである。

「アンケートの公開が部分的になった理由について、市教委は生徒を守るためにも確認の取れない証言は、発表できなかったなどと説明したが、傍聴席の父兄からは『守りたいのは子供ではなく教師の方か』と、嘲笑が聞こえたほど。しかも、その場には越直美大津市長も現れなかった。そもそも越市長はいじめと自殺の因果関係を否定し続け、騒ぎが大きくなってから会見で泣きじゃくり、遺族との和解を言い立てた。その行いにも、責任逃れのパフォーマンスを感じずにはいられません」
(社会部記者)


 責任の所在をうやむやにする雰囲気が高まるなか、現在、学校周辺ではこれまでにないピリピリムードが漂っている。

 本誌記者が生徒に声をかけると「話はするなと先生に言われてるんです」。さらには、そこに女性職員が飛んできて「生徒への取材はご遠慮ください!」といった具合なのだ。加えて、地元では様々な憶測が飛び交いだしているという。

「実は事件現場の不可解さから"少年が他殺なのではないか"との見方が強まり、ネット上で"犯人探し"が始まっているのです。また、ガセを含めた誹謗中傷が加害者の親戚関係に及び、生徒や父兄までがこの手の情報に一喜一憂している状態なのです」(同)


 ただし、一方ではこんな話も聞こえている。

「緊急説明会の終盤、『これ以上の新たな事実が発覚することはないのか!』との質問に、澤村憲次教育長は『ないと思います』と歯切れの悪い答弁をした。そのため、父兄の間では『これがすべてとは思えない。まだ何か隠していそうな気がする』とした声が絶えないのです」(別の地元紙記者)


 少年が死亡していたマンションの住人が言う。

「あの子らは、マンション前でもよく一緒に遊んでましたよ。亡くなった子はおとなしいくせに意地をはるとこがあったし、学校のすぐ裏がこのマンション(自宅)だったから、家からカネを持ち出させたり、パシリに使うのに都合がよかったのかもしれない。ただ、少年の家族は皆、大人しいええ人ばかりでした。もう、いらん中傷や誤魔化しはええから、そっとしといてあげてください…」


 少年の死を無駄にしないためにも、真相の究明が急がれる。