2025年師走です。
11月はラミンさんのコンサートへ行ってました。
舞台は今月3公演。まずはこちら。
十二国記です。
私は原作の大ファンでして、ホワイトハート版から読み続けているガチ勢です。数十年の時を経て、まさかのミュージカル化です。観るしかないでしょう。
物語は小野不由美先生の「月の影 影の海」を忠実に再現しています。
日本で暮らす女子高生中嶋陽子。「女の子なんだから」「委員長なんだから」”私”である前にそんな枠にはめられる生き方を、それでいいと生きてきた。最近の悩みは異形の者たちが夢に現れ、それが日に日に近づいてくる事。そんなある日、学校にその異形の者たちが来襲する。陽子を主とよび、助かりたければ許すと言えと迫る男。その者らと月の影に飛び込んだ陽子が目を覚ました時、そこは全くの異界だった。
なぜ、私が。何が起こっているのか。何をすれば、どこへ行けば。
ヨウコの行きつく先は…。
と言った感じ。もう、とにかく読んで。原作を。
このシリーズを知らずに人生終えるの、もったいないよ?
最初にミュージカル化が発表されたとき、日本の中嶋陽子と異界のヨウコを二人一役で。と聞いて、へぇ~って思ったんですよね。
でもそうすると、中嶋陽子の方は物語の最初しか出てこないじゃん?って思ってたんですけど、基本的にこの物語はヨウコが自分自身に自問自答している事がすごく多くて、異界に来たヨウコは話し相手もなく、自分と話すしかないわけだから、中嶋陽子役の加藤梨里花ちゃんも舞台に出ずっぱり。そう来たか。と思いましたね。
異界に着いたヨウコは虚海(十二国の世界を取り巻く海)の先(にあると言われている蓬莱=日本)から流れてきた「海客」と呼ばれ、それはそれは、もう、それは散々な目にあいます。まぁ辿りついた国が悪かったんだけどね。よりによって。だったからね。
原作を知っている人間としては、1幕はヨウコ危うし。ラストは行き倒れているところに楽俊(重要な登場人物です)に声を掛けられたところで終わるのかな?と思っていたら、そのちょっと先までありました。
そう、舞台化で一番の懸念と言っても過言ではない楽俊どうやるんだ問題。
十二国記イチの人気者、ねずみ(的な動物)と人間の半獣であるという設定の楽俊。初登場シーンでは人間の子供程度の大きさのねずみに似た動物の姿です。ゲネプロの動画を見たら、あ!ライオンキング方式ね。と。ティモンのようにパペットを役者が操ってお芝居を。
いやー楽俊、かわいかった。歩き方も、露台のある部屋(要はバルコニー付きの客室)に通されてその手摺に手を掛けてるのもめっちゃ可愛い。そして中身がいいヤツなんだよ。半獣に生まれついたのは、楽俊のせいでも両親のせいでもない。それなのに、理不尽に差別されて生きてきて、だからこそ、人の痛みが分かって。
後に王となるヨウコの良き相談相手なんだけど、ここは一生、良きバディでいて下さい。
長くなってきたからそろそろ切り上げなければとは思うのだけど、どうしても言いたいのは舒栄!!!原田舒栄が素晴らしかった。原作では姉の舒覚亡き後、偽王として立つ。くらいにしか書かれてないんだけど、なぜ、偽王という選択をしたのか。が分かる。歌が最高。
あとあと、延王&六太。挿絵のまんま。特に六太。本当に物語から飛び出てきたかの様。
挿絵のまんまというならば、何よりヨウコです。れいちゃん(柚香光さん)特に、後半、ボロッボロだった衣装から着替えた後の佇まいは慶王そのもの。十二国記の日のスペシャルカテコの衣装の着こなしもさすが。
そしてセット。映像も使ってるけど、舞台の真ん中あたりにすだれ状の幕があって、そのフィルターを通すことで挿絵の山田章博先生の世界観をそのままに表現してました。
原作好きも納得の舞台でした。
【観劇メモ】
日生劇場 S席1階 下手サイドの後ろの方。でも日生だからさほど遠くない。
12月12日で十二国記の日という事で、スペシャルカテコがありました。
最後は銀テも飛びました。

