別居の理由は様々あると思います。

それは、夫婦間の問題が大半ではないでしょうか。


私の両親も、私が幼稚園に入る年から別居してました。

別に珍しいことではないと思います。


でも、その理由は、私(杏)のためでした。


良い幼稚園に通わせてあげるため。

良い小学校に通わせてあげるため。

良い高校に通わせてあげるため。

実家は田舎過ぎて(実際田舎ですが)、まともな教育が受けられない。

だから、私のために仕方なく良い学校がある街に引越しをする。

私のために、母は父と別居する。


子どもの頃、私はそれを信じていました。

母は、私のためにいろいろしてくれるんだと。

母に感謝しないといけないんだと。


年に数回は父との行き来もありましたけど、父と母とは、子どもながらにもあまり仲が良さそうには見えませんでした。

私は、その原因が、私のために母が家を出ないといけなかったせいだと思っていました。


高校生のとき、母は私に「離婚してもいい?もし離婚したらどうする?」と聞いてきました。
私は「したければ離婚すればいいと思う。」と答えました。

母がその方が幸せなら、その方がいいと考えていました。

でも、母は、「離婚してしまったらあなたのたに良くないから、もう少しこのままでいる。」と言いました。

それなら聞くなよ!と思いましたが、言えませんでした。

もしかしたら、「離婚しないで」と言う言葉を私から聞きたかったのかもしれません。

そうすれば、完全に、「私のため」との理由が本物になるから。


でも、結局、母は、私を理由に離婚を踏みとどまったのです。


母の決断は、全てにおいて私を中心に動いていようにみえます。

だけど…


本当は、私のためなんかじゃない。

私を理由付けにしておく方が、自分が楽だからそうしているだけ。

その分、私に重石が掛かっていることなど、少しも気付かないで。


何度か聞かれたことがあります。

何故、私と母だけが別に暮らしているのかを。

私は、母に言われた理由を、疑いもしないで言っていました。

その度に、何故か変な、戸惑ったような顔をされていました。

その事に違和感を覚えながらも、ずっとその理由が分かりませんでした。

大きくなるまで、ずっと。


母は、自分が父と暮らしたくない理由付けに、私を利用したのです。


もう終わったことだから、その事を母に問い詰めるつもりはありません。

もし聞いても、本当のことなど言いはしないでしょうし。
父と別居するためには、私を理由にする以外にはなかったのかもしれません。


でも…


未だに何かと私を理由付けにしてくる母が恨めしい。

私は、言われるたびに壊れそうになる。


お願いだから、自己責任で生きてください。

自分の不幸を、私のせいにしないでください。